両手取引?片手取引?不動産取引による仲介手数料の違いについて

両手取引・片手取引・不動産の仲介手数料 仲介手数料

不動産の売買の仲介手数料について調べてみると、どこでも出てくるのが「両手取引」と「片手取引」というものです。これっていったいどういう意味と思う方もいるかもしれません。

おるすま内田
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両手取引を狙うというのは日本の不動産屋のメインテーマですね

おるすま澤田
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2倍儲かるわけやから当然な部分はあるよな

ここではそんな不動産仲介の「両手取引」と「片手取引」違いや仲介手数料について解説していきたいと思います。

両手取引?片手取引?不動産取引による仲介手数料の違いについて

不動産の売買における両手取引と片手取引の違いは、端的に言うと、仲介業者の数です。

両手仲介・片手仲介・不動産の仲介手数料

上記のように両手取引は業者が1社、片手取引には業者は2社います。
この図を見ていただければわかるように、両手にお客さんを持ってるので「両手」、片方の手にしかお客さんがいないので「片手」といいます。

両手取引・片手取引の仲介手数料

それでは両手取引と片手取引の仲介手数料の話になると、

両手仲介・片手仲介・不動産の仲介手数料

両手取引の会社は売主買主両方から仲介手数料をもらうことができます。それに対して片手取引の会社は、2社あるのでどちらか片方からしか仲介手数料をもらえないことがわかります。

具体的には3,000万円の物件を仲介した場合は

  • 両手取引のほうは、3,000万円×3%+6万円+消費税×2=211.2万円
  • 片手取引のほうは、3,000万円×3%+6万円+消費税=105.6万円

の利益になります。

両手仲介は片手仲介の2倍儲かるということです。不動産業者はみんな「両手取引」が大好きです。ちなみに仲介手数料無料のからくりもこの「両手取引」にあります。

両手取引は仲介手数料を値引きできる?

両手取引・片手取引・不動産の仲介手数料

さて両手取引と片手取引がだいたい分かったところで、仲介手数料を値引きしてほしいといった場合、どっちの取引の人のほうが交渉を受けてくれやすいでしょうか。

当然両方から仲介手数料をもらっている「両手取引」の不動産業者のほうが、値段交渉に応じてくれやすくなります。

逆に片手取引の場合は、自分が支払う仲介手数料が相手の仲介業者の唯一の儲けになるので、これを少なくされるというのはとても困ります。ですので両手取引と比べると値引き交渉はうまくいかない場合が多いでしょう。

このように自分の購入や売却は、仲介業者にとって両手取引なのか片手取引なのか考えてみると、仲介手数料を交渉できるか見えてきます。

それではどうすれば両手取引か片手取引か判断できるのでしょうか

両手取引と片手取引の見分け方

両手取引と片手取引の見分け方

両手取引・片手取引と言っても、お客さんであるあなたにとっては、ある不動産営業マンに案内や紹介されて購入するだけで、外形的には違いは全くありません。

自分が検討している物件が仲介業者にとって両手なのか片手なのかどうすれば判断できるのでしょうか

不動産営業マンに聞いてみる

まず手っ取り早い方法として、担当の不動産営業マンに聞いてみるという方法があります。

もし契約する場合には結局契約書などでわかることなのでウソをつく営業マンはいないと思います。

ただ、この質問を不動産営業マンにすると、片手取引だった場合、売主側の仲介業者に問い合わせて自分を抜いて契約しようとしているのかも・・・と思われる可能性はかなり高いです。質問のニュアンスには気を付けないといけません。

ちなみに紹介された業者なしで契約するのは「抜き行為」というのですが、あまりおすすめしません。

直接的に聞かなくても、物件のカギの手配などの話からも実は推測できます。どこかの会社に鍵を取りに行っているようなら「片手」、自社で管理して持ってくるだけのようなら「両手」ということが言えます。

ネット上の広告を見て「両手・片手」を推測する

直接「両手取引ですか?」かなんて聞きづらいという方は、検討している物件をネットで検索してみて推測するという方法があります。

たとえば、物件を紹介してもらっている会社をA社として、スーモなどで検討している物件を検索した場合

  • A社だけしかスーモに載せていない → 両手取引の可能性大
  • A社含めてB社・C社など複数社が掲載 → これも両手取引の可能性大
  • A社がなくB社・C社など複数社が掲載 → これはどちらの可能性もある
  • A社がなくB社のみ掲載  → 片手取引の可能性大

基本的にはスーモは1物件掲載するのにいくらの掲載料という料金を取っているので、普通の不動産業者は片手取引の物件にスーモの枠は使いません。ですので、紹介してもらっている不動産業者がその物件でスーモなどのネット広告をしているかどうかで両手取引かある程度推測することができます。

その会社がそもそもスーモを利用していない可能性もありますし、片手でも売れると思うと広告費を使ってネット広告を載せる業者もいますのであくまで推測しかできません。

両手取引のほうがお得?実はそんなことはない

両手取引・片手取引・不動産の仲介手数料

自分が検討している物件の取引が、両手取引か片手取引か分かったところで、両手取引のほうが仲介手数料が安くなる可能性があるのでいいじゃん。と思うかたも多いと思います。しかしこれは少し早いです。両手取引にもデメリットがあります。

両手取引のデメリット

それは両手取引の場合、
不動産業者が買主と売主を公平に扱っているか不透明
ということです。

両手取引・片手取引・不動産の仲介手数料

上の図のように両手取引なら片方に便宜を図ってもう片方の利益を害するような契約も、誰に知られることもなく結ぶことができます

当然ですが図の逆で買主に便宜を図り不当に安い値段で物件を販売して売主にダメージを与える契約を結ぶことも可能です。

逆に片手取引の場合は、もともと片方からしか仲介手数料をもらわないので、仲介業者の2社がそれぞれの利益を守ろうと交渉することにより、売主買主双方の利益が守られることになります

それぞれに不動産のプロである仲介業者が助っ人として入ることで、プロ同士の戦いにすることができるのです。

一番最悪なのは「仲介手数料無料業者」による両手取引

購入者にとって一番最悪な取引が、両手取引で片方からしか仲介手数料をもらわない、いわゆる「仲介手数料無料業者」による取引です。

これは「両手取引の為、仲介手数料を無料にします」というのは「売主の味方を100%するつもりですが、うちから買ってください」と言っているようなもので、両手取引の不透明さが一番で安い取引形態と言えるでしょう。

詳細はこちらをご覧ください。

海外では両手取引は少ない・囲い込みも問題視

両手取引・片手取引・不動産の仲介手数料

実はこの両手取引というのは海外ではあまりありません。有名なところではシンガポールは両手取引を禁止しています。アメリカでも両手取引を規制する動きもあります。やはり先ほどの図で見たように、潜在的にどちらかが損をする取引になる可能性があるという取引形態だからです。

両手取引は物件の囲い込み問題もある

また両手取引の方が儲かるということもあり、他社から販売させてほしいと依頼があっても

「その物件は既に他のお客さんから申し込みされています。」

など嘘をついて他社に紹介させないという物件の囲い込みを行うという問題もあります。過去には大手仲介業者が全社的にこの囲い込み戦術を行い大きな問題となりました。

こういった考え方から、日本でもこれからは両手取引が規制され少なくなっていくのではないかという見解もあります。

両手取引・片手取引の仲介手数料:まとめ

こうのように不動産の売買仲介には両手取引と片手取引があり、2倍儲かる両手取引が不動産業者は大好き。

仲介手数料を値引き交渉するのであれば、両手取引のほうが都合がいいが、両手取引には依頼者が損をする可能性があるため注意が必要。

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