建売新築一戸建ての購入を検討していると、「仲介手数料無料」の不動産仲介業者というのが存在します。
基本的に無料業者は避けてくださいといっていますが。
今回はそんな仲介手数料無料業者の経営が難しくなってきているお話をしていきたいと思います。
スーモのルール変更で「仲介手数料無料」が記載可能に
建売新築一戸建てにおいては仲介手数料無料業者というのが昔からいまして、その仕組みとしては建売新築一戸建て販売は基本的には、売主からも買主からも仲介手数料を貰える「両手仲介」が多いのですが、その一つ買主からの仲介手数料を無料にして集客に専念するという手法が仲介手数料無料業者になります。
そういった仲介手数料無料業者はいろいろな理由で避けるべきというのもよく解説させていただいております。
そんな中仲介手数料無料業者に大きな転機がきました。
スーモで「仲介手数料無料」記載可能にルール変更
建売住宅をはじめとして不動産仲介業の集客の柱はリクルートさんの運営する「スーモ」です。
そのスーモにおいては以前は「仲介手数料無料」という表現は使用禁止になっていました。これは逆に何故禁止になっていたかというと難しい話で、
これは私の個人的分析でリクルートさんの公式見解ではないですが。
単純にリクルートさんは不動産業者から広告費をもらって広告を展開する事業ですので、不動産業者が儲かる量が減ると広告費も下がり、自分たちのビジネスも上手くいかなくなります。ですので出来るだけ仲介手数料無料の取引を減らして、不動産業者を儲かるようにしないといけないという側面もあったのではないかと思います。
そういった側面もあったのか「仲介手数料無料」表記は禁止だったのですが、これも色々あって…無料業者が不公平だと騒ぎ出したこともあり、「仲介手数料無料」の表記をしていいことにルール変更が行われたのでした。
仲介手数料無料業者の集客が容易に?
禁止されていた「仲介手数料無料」表記が解禁されたわけですので、全員が仲介手数料無料業者に有利になると思っていました。
ですが意外とそうはならなかった。
禁止されていた頃から仲介手数料無料でやっていた仲介業者は、凄い広告費がかかるスーモを元々やっていませんでした。ですので解禁されても基本関係なかったのです。つまり仲介手数料無料と書いてよくなっても、スーモの広告費を負担しながら仲介手数料無料をするのは不可能なのです。
ちゃんとした業者の広告にフリーライドするのが前提のビジネスモデルですので。
仲介手数料無料業者にとっては表記が解禁されてもあまり関係がなかったという結果になりました。
ルール変更前から変更後の変化
このルール変更前から変更後に建売販売の不動産仲介業界でどんな変化があったかというと、以前からずっと仲介手数料を無料でする不動産仲介業者がスーモに参入してくることはありませんでした。厳密にいうと、ちょっと参入して3ヶ月でやめていった業者がいました。
先ほど言ったようにスーモの広告費は高額ですから。
しかし、以前は仲介手数料をもらって仕事をしていた不動産仲介業者が一部「仲介手数料無料業者」に変化しました。
建売新築一戸建て販売の仲介手数料無料業者がピンチに
仲介手数料無料の表記をスーモでできるようになった。が意外と既存の仲介手数料無料業者はスーモを始めたりしない。というような状況で。
大きな仲介業者が「仲介手数料無料」化
結構大きめの仲介手数料をもらって仕事をしていた不動産業者が「これから建売販売だけ仲介手数料無料にします」と言い出す企業が出てきたわけです。
今現在もスーモを見てもらうと「仲介手数料無料」って書いてあるのはそういった業者になります。
元々の無料業者ではなく、ルール変更で無料化した不動産業者です。
こういった業者でも先ほど言ったような、スーモの広告費を払いながら、仲介手数料無料なので以前とは収入が半分になるというのを両立しないといけないという苦労が生まれるわけですが、この大手無料業者の苦悩はまた後で解説させていただきます。
YouTube無料業者が軒並み業績悪化
今までいた弱小企業で仲介手数料無料にして生きてきた不動産仲介業者は大打撃を受けました。
それは当然という話ですが、普通に大きな企業で仲介手数料無料にしてくれることを公言する企業が出てきたので、小さな企業で仲介手数料無料に行く意味がなくなりました。
また広告集客の話でも、仲介手数料無料業者が行ってきた
- YouTubeなどSNSでの集客
- このようなブログ発信での集客
- Googleのリスティング広告での集客
は軒並み効果が下がってしまいました。何故なら…建売を検討する人がいつも見ている「スーモ」に「仲介手数料無料」って書いてあるからです。
以前はここに仲介手数無料と書いていなかったので、検索に検索を重ね、お客さんが頑張って調べてくれてやっと辿り着いたYouTubeなどから問い合わせが生まれていました。ですが今は、多くの「仲介手数料を無料にしたいと思ったお客さん」を上流のスーモで回収されてしまい、下流にまで流れてこなくなったわけです。
このルール変更で無料業者のYouTube更新頻度が激減しました。
ルール変更で有利になるとも言われていた、昔からいた仲介手数料無料業者は、元気がなくなってしまいました。
大手仲介手数料無料業者も業績悪化
さて次は仲介手数料無料化した大きな不動産業者ですが、これもなかなか一筋縄ではいかない状況でした。無料化した不動産業者は我々の近隣では3社から4社ありますが、一番上手くやっているようなところでいうと
- 営業マンを半減させ人件費削減
- (儲けが少ないため主力営業マンはほぼ退社で流出)
- フランチャイズ加盟を脱退しロイヤリティ費用削減
- 店舗を半減させ固定費削減
というような努力でなんとかやっていこうとする企業もありました。(これだけでは上手くいかないので最後に説明する詐欺的手法で収入を増やす方向性もありつつ)
一番上手くいっていないところで廃業する企業もありました。
それは動画でも解説させていただきましたが。。。
この動画で出てくる不動産仲介業者が大きめで仲介手数料無料化しその流れで会社を閉めた企業です。
解決策はやはり「詐欺的手法」
そんな大きな不動産仲介業者で建売販売だけ仲介手数料無料にした企業の「企業努力」だけでなんとかなればそれは素晴らしいことですが、実際はそんな甘くありませんでした。
以前からいた業者は「小規模だから無料」にできていたので、大規模でそれできるなら前からやってたでしょ?って話で。。。
人件費や店舗費の削減やフランチャイズの脱退はいいですが、それにより会社の販売力も落ちるので結局、そんな努力はあまり大きな効果はなく、やはり収入を増やそうという流れになります。そんな中で生まれたいくつかの手法があります
- 超高額の追加工事費用を提案しまくる
- めっちゃ無駄な火災保険プランを売る
- 今までに聞いたことないような謎の名目の請求
というような一件の契約で、仲介手数料をもらわない分、他のところでどのように穴埋めするのかという動きが活発になっています。
こちらも動画で解説していますので、ぜひご覧ください。
このような感じで仲介手数料無料と言っているだけで実際は払っているのと大差ない取引にするというスキルでなんとか「仲介手数料無料」と「スーモ掲載」を両立するという、より意味のわからない状態になってしまっています。
そしてさらには昔からいた小さめの企業の仲介手数料無料業者は販売件数が減り、これも一件でボッタクらないと経営が成り立たなくなると同時に、販売件数の低下で深刻なノウハウ不足によるサービスの低下によるトラブルの多発という現象も見られています。
まとめ:建売新築一戸建て販売の仲介手数料無料業者がピンチに
- 仲介手数料無料の表記がスーモで解禁
- 既存の無料業者がスーモに参入はしなかった
- 大きな仲介業者が仲介手数料無料化した
- 小さな無料業者が静かに撤退相次ぐ
- 大きな無料業者も企業努力と詐欺的手法でなんとか維持している
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