建売新築一戸建てを探していると「仲介手数料無料」というキャッチフレーズを聞いたことはないでしょうか?本当に仲介手数料無料って安いの?なんか怪しくない?
と感じる方もいるかもしれません。今回は仲介手数料無料の不動産業者が言わない、仲介手数料無料のデメリットについて解説していきたいと思います。
仲介手数料無料業者はお金貰ってる売主側の意見バリバリ通そうとしますからね
お客さんからはお金貰わないから当然そうやろ。
建売新築一戸建て購入で仲介業者が仲介手数料無料にできる仕組みは「両手仲介」という売主と買主両方から仲介手数料を貰える仕組みにあります。「売主から手数料貰えるから買主さんの分は0円で良いですよ」というような感じですね。
仲介手数料無料の仕組み・からくりについてはこのページを見てみてください。
建売住宅購入の仲介手数料無料(0円)のデメリット4選
建売新築一戸建てを探していると「仲介手数料無料業者」というのがちらほらいるのに気づきます。不動産売買の仲介手数料というものは高額になりますのでそれを無料にしてもらえるというのは大きなメリットに感じる方もいると思います。
しかし不動産の売買における仲介手数料無料には大きなデメリットがあります。
- 物件価格の交渉力が弱い
- 全く買主の味方ではない問題
- 他のところでぼったくる仕組み
- 提案の選択肢が狭い
ということです。特に一つ目の交渉力の弱さや、二つ目仲介手数料を払わないということは・・・味方になってくれる人がいないということは、建売新築一戸建て購入においては大きなマイナスになる可能性もあるので、仲介手数料無料を利用する場合は気を付けないといけません。
仲介手数料無料のデメリット①「価格交渉が弱い」
建売新築一戸建てを仲介する場合に仲介手数料無料の業者は、お客さんから仲介手数料をもらえません。ですので逆にいうと、売主からは絶対に仲介手数料をもらわないといけません。もし
- 「物件価格をもう少し安くしてほしい」
- 「この追加工事をサービスしてほしい」
など、お客さんが売主さんに対して購入にあたっての要望や希望がある場合、仲介手数料無料の業者が交渉にあたると、この要望が受け入れられる確率はどうしても低くなります。
仲介手数料無料業者が価格交渉が弱くなる仕組み
それではどうして仲介手数料無料業者に価格交渉などを依頼すると交渉力が低くなるのでしょうか。仲介手数料無料の業者は交渉力の低い営業マンしかいないっていう話ではないです。仲介手数料無料の業者が交渉力が低いのは、システム上仕方のない話なのです。
先ほども言ったように建売新築一戸建ての購入で仲介手数料無料にできる仕組みは売主・買主両方から仲介手数料を貰える「両手仲介」の仕組みにあります。
売主のハウスメーカーからお金を貰うので買主さんからは無料で良いです。という感じですね
しかしこの仕組みで取引すると、仲介手数料無料の不動産仲介業者は売主に従う以外取引をする方法がなくなります。買主に手数料を貰わないので売主には絶対手数料を貰わないといけないということは
- 売主に仲介手数料を貰える範囲内の価格交渉しかしない
- 売主に対して価格交渉と手数料をちゃんと貰う交渉の2つをしないといけない
- 売主は仲介手数料無料業者はワガママと認識する
- 手数料無料業者には「価格?無理」って言っておけばいいって雰囲気になる
このような仕組みになるので仲介手数料無料業者と一般の仲介業者とでは、建売ハウスメーカーへの価格交渉の結果が全然違う内容になるわけです。
仲介手数料無料の業者は価格交渉は毎回こうなる
仲介手数料無料の業者のHPにも「価格交渉もお任せください!」と書いてはありますが、実際に交渉するとなると・・・こうなります。
上の例でも分かった通り、仲介手数料無料の業者は、お客さんから物件価格の交渉などを依頼された場合、「売主が仲介手数料をくれる範囲内で」の価格の交渉しかできません。
先ほども言ったように仲介手数料無料の業者は、買い主からの仲介手数料を無料にする代償に売り主からの仲介手数料は絶対にもらわないといけません。
つまり仲介手数料を買主からもらう仲介業者が価格交渉が難航したときに使う最終手段である
「売り主さんがくれるはずだった手数料削ってくれていいので、お客さんが言う値段にしてくれませんか?」
という方法を使うことはできません。
売主からの印象もイマイチになりがち
さらに建売新築一戸建ての仲介における価格交渉の実務でかなり大きなデメリットになるのが、仲介手数料無料業者は売主であるハウスメーカーに舐められたり、相手にされなくなるということです。
仲介手数料無料の業者は、先ほどの例でも出てきたように「価格は下げてほしい。ただ手数料もちゃんとください」と売り主に毎回言うことになります。こうなると売主側の印象は「ワガママな仲介業者だよね」というようなものになりがちです。
また売主側の立場になると「自分が仲介手数料を払って仕事させてあげている業者」なのにワガママなことを言うので、尚更良い印象を受けない部分もあります
売主との交渉は最後はやはり人間関係ですから、元から嫌われているのは相当キツいです。
また仲介手数料無料の業者は、売主さんからすると「自分は仲介業者に手数料を払っていて、お客さんは払っていない」ので、「この仲介業者は売主の言うことを聞かざるを得ない」という認識をされているのが普通です。
「仲介手数料無料の業者の価格交渉は一律受けないことにしている」
と話す売主担当者もいるほどです。どうせ自分の言うことを聞かざるを得ないことがわかっているので、交渉に来ても条件をのむ必要がないのです。
仲介手数料無料のデメリット②買主の味方ではない問題
さきほどの事例でもわかったように、建売新築一戸建て購入で仲介手数料無料業者を利用すると仲介手数料無料業者は、どんな時も「売主の味方をして、購入者の味方はしません」
これも仲介手数料無料の仕組み上、仕方ない話で仲介手数料無料業者がお金をもらうのは、買主ではなく売主・ハウスメーカーですので、構図としては下の図のような状態になっていることがほとんどです。
仲介手数料無料業者が建売のハウスメーカーと結託して素人である買主を丸め込み都合のいいように話を進めていくという取引にならざるを得ません。
仲介手数料は不動産取引のプロを雇う費用
建売新築一戸建てを購入する場合に、なぜ仲介業者が必要なのか考えてみると、不動産の専門的な知識をもたない購入者が、不動産の専門家である売主と対等に渡り合うためであり、取引の間、公平なアドバイスをもらうためです。
費用を節約したい気持ちはわかりますが。
本来は自分の味方になるはずの不動産仲介業者が売主とタッグを組んで、購入者と対峙する上の図のような状態になるのは、できるだけ避けたほうがいいです。
例えばこれが弁護士の話だったら、その弁護士を雇うでしょうか?あなたがAさんという人ともめていて訴訟になりました。法律のことはわからないので、弁護士を雇うのですがその弁護士が「Aさんに弁護費用もらっているので、あなたからの弁護費用は無料で大丈夫です」といいました。
この弁護士を雇う人はいないでしょう。
仲介手数料無料業者ほど「買主の味方」感出す
そんな建売新築一戸建て購入に関する仲介手数料無料業者ですが、
=売主から仲介手数料を貰う
=売主の味方
にも関わらず、「仲介手数料無料です!」「買主に優しい仕組みでやってます!」というような広告手法になりがちです。
個人的にはアレは情報弱者を狙った詐欺的広告だと思います。
本来は売主側の仲介手数料を無料にすべき
あと建売新築一戸建て販売の仲介手数料無料業者の情報発信でありがちな内容が、日本の不動産業界特有の「両手仲介の問題点」を指摘する話です。
両手仲介は本来は良いとは言えない方法なのは確かです。売主と買主の両方からお金を貰ってしまうというのは「利益相反」になってしまいます。その議論を利用して
→だから仲介手数料無料にしたんです!
→仲介手数料は革新的な方法なんです!
みたいな論理構成が多いですが、その論理を使うなら買主側ではなく売主側の仲介手数料を無料にすべき話です。なぜサポートの必要な一般消費者側ではなく、売主側の代理人をする仕組みになるのか意味不明です。
仲介手数料無料のデメリット③別のところでぼったくる
仲介手数料無料というのはお客さんのためを思ってしているのではなく「集客方法」です。
仲介手数料無料の言葉に惹かれたお客さんに対して、仲介手数料を取らない代わりに他のところで利益を出す必要が出てきます。
仲介手数料無料の分を他の費用で回収する
これは非常に悪質な手口ですが、諸費用には様々な名目があるので、そういったものに紛れ込ませて、仲介手数料無料にした分を請求してくるというものです。
名目には「ローン代行費用」や「コンサルティング料」などといったものがあります。
実際このような不正な費用請求が建売新築一戸建てを購入する場合にできるかと言われると、意外とできてしまいます。一口に新築一戸建てを買うと言っても、登記費用や住宅ローンのプランも含めると決めないといけないところはたくさんあり、たくさんの「それらしい」費用請求があります。
そんな不正に皆さんが騙されないように、こういったブログやYouTubeでこんな費用請求は気をつけてという情報発信をしているわけですが、一般の方がその全てを把握されるのも困難だと思います。
追加工事費用なども要注意
建売新築一戸建て購入に関しての仲介手数料無料業者のボッタクリポイントとして1番要注意なのが、追加工事費用です。
新築購入において相場が大体把握できている費用請求などほとんどないと思いますが、追加工事についても一般の方が相場を知っているケースは少ないと思います。
2台分のカーポートをつける相場と言われても答えられないですよね?
こういったところで不当に高額な追加工事費用を請求してそこで本来の仲介手数料以上に利益を出す仲介手数料無料業者もいるので、とりあえずはそういったところから目を光らせていかないといけません。
仲介手数料無料のデメリット④提案の選択肢が狭い
仲介手数料無料の不動産業者は、両手取引になるものしかできません。もともとお客さんからもらえる分を無料にするつもりなので、もう片方からはもらえる取引しかできないのです。
ですが、全国で扱われている物件のほとんどが片手取引です。ですので、仲介手数料無料の業者は提案できる物件がかなり狭い状態で営業活動をしているということになります。
大体一部の新築一戸建てに限り手数料無料って書いてありますよね。
確かに建売新築一戸建てに関していうと両手取引が非常に多いですが、建売に限定して紹介することがそのお客さんにとってベストな家探しではない場合も多々あります
土地と注文住宅の購入のほうがお客さんにとっては最善の物件に出会える可能性も実はかなりありますし、建売でも売主さんが仲介手数料をくれない物件もあり、そのような物件が目の前にいるお客さんの探している条件に1番合っていたとしても仲介手数料無料業者は紹介しません。(むしろ隠します)
仲介手数料無料の業者は、片手取引の物件になるとボランティアになってしまうので、そういったお客さんのためを思った提案というのは、システム上できなくなってしまうのです。
その他の仲介手数料無料のデメリット
その他にも仲介手数料無料の業者のデメリットはありますが、ここからは正直に言うと業者によります。そういう業者も中に入るというもので、すべての仲介手数料無料の業者に当てはまることではありません。
仲介手数料無料業者の営業マンは案内や接客が未熟
仲介手数料無料の不動産業者の物件案内や住宅ローンの手続きなど接客全般が未熟な場合があります。
仲介手数料無料の業者の特徴として、営業マンの担当エリアが広いということがあります。基本的には会社の所在地の地方、たとえば関東地方や近畿地方などといったエリアをほぼ1人か2人で対応するというような業者が多いです。
こんな状態で「〇〇小学校区と××小学校区ならどちらが人気なんでしょう」なんて聞かれてもほぼ知りません。ココに始めてきましたという営業マンに出会うこともあるでしょう。
ひとつの市に一店舗置いて担当営業マンも数人いるような不動産業者と比較すると、接客の質はかなり落ちてしまいます。
契約書や重要事項説明が未熟
仲介手数料無料の業者の場合、契約書や重要事項説明書などの書類が未熟な場合は確かにあります。
建売住宅を買う場合はこの辺はほぼ問題ありません。売主がしっかりしているのでどんなに適当な仲介業者でも、最終的にはまともな書類が出来上がる傾向にはあります。
しかし不動産購入は売買契約書と重要事項説明書だけが重要書類というわけではありません。その他の契約書の内容があり得ない内容になっている場合もあります。
仲介手数料無料(0円)のデメリット・建売新築一戸建てを無料業者から購入するのは危険:まとめ
仲介手数料無料は魅力的だが、価格交渉が弱いという最大のデメリットがある。数あるデメリットをまとめると
- 価格交渉が弱い(これが深刻なデメリット)
- 基本的に売主の味方(不動産屋並の人しか利用はお勧めできない)
- 別のボッタクリポイントあり(追加工事に要注意)
- 提案の選択肢が狭い(自分で物件情報を収集できれば大丈夫)
- 案内・接客が未熟(話してて不安になるレベル)
- 契約書や重説が未熟(ひどい時には大きなトラブルに・・・)
というものがある。
不動産に関することを動画で解説するYouTube「おるすまチャンネル」もご参照ください。
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