自治会って強制?任意?【町内会とゴミ置き場問題】新築一戸建て購入時の困りごと

自治会は強制?ゴミ置き場は? 建売新築

新築一戸建てを購入すると、それまでのハイツ生活とは違いより深く地域の人とのつながりを求められるケースも多々あります。

その一つが「自治会」「町内会」などと言われる組織です。

おるすま内田
おるすま内田

新築購入された方の購入直後のお悩みは自治会とか面倒じゃないのかなーが多いですよね

おるすま澤田
おるすま澤田

自治会にも良いところは沢山あるけど、今の若いネット社会の方々には受け入れが難しい部分も出てくるやろね。

今回はそういった自治会が強制加入なのか任意なのか、という所について解説していきたいともいます

自治会は強制?それとも任意?

株式会社おるすまチャンネル「自治会は強制?それとも任意?」編

新築一戸建てを販売していて購入者の方から時々相談を受ける内容が「自治会って入らないとダメなんですか」というものです。

結論から言うと自治会は「任意加入」の団体なので、入らないといけないわけではありません。

裁判所の判例でも、最高裁平成17年04月26日判決で自治会が任意加入の団体で、脱退したいという時も一方的に自治会側に意思表示をするだけで脱退できるという判決を下しています。詳しくはこちらをご覧ください。

さらには福岡高裁平成26年2月18日判決では、ものすごく執拗な自治会への加入強制が行われた事案で、そこまでの勧誘は不法行為であるという考え方を示しており、あくまで自由意志で加入するかどうかを検討してもらうスタイルの勧誘が自治会側に求められると考えられています。

地域組織で強制加入のようなイメージですが、どちらかというと「趣味の会」的なポジションの組織ということができます

しかし田舎の方に行くと、「え?ほぼ強制加入じゃない?」って言うレベルの地域もあったりします。

【ほぼ強制?①】ゴミ置き場問題

自治会がほぼ強制加入になりやすい問題として一番に挙げられるのが「ゴミ置き場」の問題です。

ゴミ置き場は周辺の数十件分のごみを一カ所に置く場所を決めておき、行政のゴミ収集をしやすくするというような取り組みですが、そのゴミ置き場を管理したりするのが自治会なので、自治会側から

自治会に入らず自治会費を払わないならゴミ置き場は使わせない

というようなことを言われ、入りたくないけどゴミを捨てられないと生きていけないので自治会に入るというような状態に追い込まれる場合があります。

ただ最近では市町村に相談すれば、個別収集対応してくれたりするケースも多く昔ほどこのような問題が出るケースは少なくなりました

あとで裁判例など詳しく解説していきます。

【ほぼ強制?②】子供会問題

自治会に入らないといけない状態になりやすい二つ目は「子供会」問題です。

家族に子供がいると地域のお祭りなどに参加することは、子供にとってかけがえのない思い出になります。ただ地域の祭りも小さめのモノは大概自治会が主催していたりするので、自治会員ではない家の子供は参加できなかったり、制限がついたりします。

自治会側から言うと自治会費や寄付で成り立っているので、非自治会員がフリーライドできるようになっては成り立たなくなるので当然ではあります。

こうなると子供に「●●ちゃんと一緒に祭り行きたかった」なんて言われると、自治会に加入するしかないですよね。

【ほぼ強制?③】村八分問題

最後に最近ではこんなことを言う人は皆無になりましたが「村八分」問題です。

昔は地域のつながりが強く生活上のいろんな場面で隣人同士助け合っていました。ですがちょっとこの人ヤバいなって人は「村八分」といって、火事と葬式以外は手伝わない仲間外れの状態にすることがありました。

自治会もそういった話で、非自治会員が「なんか住みづらい」というような仲間外れにする場合があり、そういった精神的な圧力があって自治会に加入しないとヤバそうな雰囲気というのがある地域も存在します

最近はネットで遠くの親友とつながってる方が楽、という社会になってきたのでそんな近所付き合い自体が無くなってきましたが・・・

自治会のゴミ置き場利用拒否問題

以上のように自治会で結構問題なのは「ゴミ置き場」拒否問題ということになります。子供会とかは仲良い家族でバーベキューしたり旅行やキャンプに行って解決できますが、ごみを捨てられないのはなかなか解決できません。

YouTubeおるすまチャンネル「自治会がゴミ置き場使わせない問題」編

自治会のゴミ置き場利用拒否は裁判などではどのように扱われるのか紹介していきます。

ゴミ置き場利用拒否は「不法行為」

自治会が非自治会員にゴミ置き場を使わせないと言った場合に、裁判で自治会を訴えたらどうなるのかというと、全国各地に裁判例があり「不法行為」であるという判決を下した判例も多いです。例えば

大阪高裁平成19年8月24日判決では、滋賀県甲賀市の自治会が脱退者にゴミステーションを使わせないという決定をしたことが不法行為だとされました。

もともとの裁判の趣旨としては、赤い羽根募金のお金を自治会費に上乗せして徴収することが、会員に強制的に募金させるということで「思想信条の自由」の侵害になるんじゃない?という問題で、それキッカケで脱退する人が出てきて、その人たちにはゴミを捨てさせないという措置を取ったという話です。

その他にも探せば他のエリアなどでも、自治会がゴミを捨てさせないと言ったものが、「それダメですよ!」って言われたケースというのは結構あります。

ただ「ゴミ置き場に捨てさせない!」が全て「ダメ」かと言われたそうでも無いと思います

拒否しても不法行為にならないケース

自治会側が管理するゴミ置き場の利用を拒否したとしても「不法行為」にならないケースというのもあります

①ゴミ置き場の建設管理に自治会が多額の費用を出している場合

まず一つ言えるのは、ゴミ置き場の建設管理の度合いです。

例えばいろんな地域的な事情もあって自治会が自治会費を使って建設に200万円、管理に月5万円かかっているゴミ置き場だった場合、非自治会員に使わせないのは問題ないように思えます。

逆に非自治会員がそこを何の負担もなく利用できることの方がおかしいと感じる人の方が多いでしょう。

多くの場合それほど多額の費用がゴミ置き場にかかっているケースは少ないと思いますが、費用の金額によっては拒否も可能と判断されるケースもあるでしょう。

②自治会が拒否しても行政が回収してくれる場合

自治会がゴミ置き場の利用を拒否しても、市役所に相談に行って「じゃあ●●さんのお宅だけ個別回収するんで家の前おいてください」って言われたら、全く困らないですよね。

このように自治会側のゴミ置き場利用拒否発言が「不法行為」認定されたケースには、

  • 行政に頼んでも助けてもらえない
  • 自治会が積極的に非自治会員のゴミ捨てを邪魔しようとしている

というような、自治会に拒否されたら「実際問題」ゴミ捨てに困るという実情が条件として必要で、利用拒否したら全て不法行為で自治会が裁判で負けるというものではありません。

自治会は先にも説明したように「任意団体」なので、好き勝手なルールを決めること自体は可能です。それが嫌なら脱退できる、加入しないという選択肢があるならそれは問題ありません。

最近は市町村の対応も柔軟になってきているので、こういう問題があれば市町村に相談するのが一番の解決策です

ごみ収集の最終責任は「行政」

このように自治会が非自治会員にゴミ置き場の利用を拒否する問題の話になると、不快な経験を実際にされた方もいて、ことさら「自治会が悪い」というような考え方の方もいらっしゃいますが、私はゴミを最終的に収集する責任があるのは市町村などの行政だと思っています

自治会は任意団体なので勝手なルールを作る場合もありますが、そうなったとしても「市町村が対応するので大丈夫です」というのがあるべき対応であり、それができない場合は基本的には市町村側に問題があるのではないかと思います。

市町村の財源の問題などもあると思いますが・・・

最近では我々の販売するエリアではほとんどの市町村で、住民が自治会にゴミ置き場を使わせてもらえなくてもきちんと収集できるように対応してくれるので、昔のような問題になるケースはほとんど聞きません。

みなさんも自治会に加入したくなくてゴミ置き場問題が出た場合は、市町村役場のゴミ収集課に相談してください

自治会って強制?任意?【町内会とゴミ置き場問題】:まとめ

自治会は「任意」加入なので、入らなくても大丈夫

自治会がゴミ置き場の利用を拒否するなどして自治会加入を強制しようとする場合は、市町村に相談してみよう

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