ビックモーターさんが街路樹に除草剤を撒いていたのではないかという「環境整備」問題というのが話題になりましたが、建売新築一戸建ての完成現場にも当然ですが草は生えます。
そしてビックモーターさんと同じく草ぼーぼーじゃあ売れないのです。
細かいところまで販売にこだわると、やはり雑草処理などの細かい部分も突き詰めていかないとダメでして。
今回はそんな建売新築一戸建ての現場で行われる、現場管理・雑草対策について紹介していきます。
建売新築一戸建ての販売で除草剤とか撒きますか?草抜きますか?
結論、建売新築一戸建ての現場に草が生えたりすると、我々仲介業者が草を抜くケースもあります。除草剤に関していうと、撒かないが一般的な売主や仲介業者の側の対応ではないでしょうか。
売主?仲介業者?誰が草抜くの?
建売新築一戸建ての販売では、その土地を所有しその建物は建築したものの自社で販売はしないというスタンスの「売主」「ハウスメーカー」という方と、その販売をする我々のような不動産仲介業者がいます。
で、そんな建売新築一戸建て現場も冬はいいのですが、暖かくなってくると雑草が生えてくるわけです。そんな雑草は一体売主と仲介業者のどちらが抜くのか。
基本的には売主の所有物ですので管理は売主で、雑草を抜いたりするのも売主が行う場合が一般的です。
ですが我々仲介業者も現地で旗を立てさせてもらったり、電話番号などの連絡先を書いたりと「売らせていただいている」立場でもあります。そういった意味では「雑草くらいこちらで抜きます」という考え方もまたあります。
売主と仲介業者の空気感による部分があります。
ウチのような販売力のそれなりにある仲介業者になると、「草抜きくらい売主でやりますので」というような感じで言っていただける部分もありますし、販売実績が少なく冷遇されている仲介業者になると、「売らせてあげてるんだから草抜きくらいしてください」って感じになります。
そこまでの現場管理を求められていなくても仲介業者としてのポイント稼ぎのために「いやウチで草くらいに抜くので!」という感じで抜く場合もありますし、仲介業者としての販売計画のため大々的に広告を打った週の土日の前に現場を整えておきたいという気持ちで草を抜く時もあります。
除草剤撒いたりはするの?
次にビックモーターさんでもあったように除草剤を散布するケースはあるのか。これはあまりありません。
建売ハウスメーカーにとってその物件の土地は商品ですので、除草剤を撒くなどして土地の状態を変更してしまうようなことは極力避けたいのが通常です。万が一庭でバラを育てたい人が家を買いに来た場合には除草剤がネガティブな要素になってしまいますので。
仲介業者としてもお預かりしている商品にそんなことはできません。
そんな風に建売新築一戸建ての場合は除草剤が撒かれていたりというのは可能性としては低いですが、検査などをして除草剤の成分や有害物質の成分が出てきたとしても、契約書上はハウスメーカーは責任を取らなくていいような内容になっているのがハウスメーカー各社の基本書式になっています。
契約後には売主の責任を問うのは難しくなる可能性もありますので契約前に確認をしておく必要があります。
防草シートを敷くなどの対策は?
そのほかの雑草対策としては、防草シートを敷いておくという外構工事がありますが、建売新築一戸建ての場合は、庭部分にそういった施工をしているケースは稀です。
斜面になっているところで、花壇などの利用が通常考えづらいところに関しては防草シートを施工する場合もありますが、平らな庭部分に関しては、家庭菜園などで利用するケースもありますし、逆にタイルやコンクリートで固めたいというような追加の外構工事をする方もいます。
購入者の要望によって変わる可能性のある部分は「そのまま」というのが建売ハウスメーカーの鉄則です。
購入者の要望によって無駄な費用になりそうなものは極力コストをかけないのが建売の基本ですので、雑草対策で庭などに防草シートが施工されているケースは少ないと思います。
アスファルト敷いちゃうアーネストワンさん方式
その他には建売ハウスメーカーさんの大手「アーネストワン」さんの仕様でよくある外構工事の大部分をアスファルト敷いちゃう方式というものがあります。
これをすれば管理をする必要もないくらい雑草の生える余地が減ります。
やはり素っ気なくて魅力が下がるというようなご意見もありますが、「すべての人にマイホームを」というようなリーズナブルさを強みとして商品展開されているハウスメーカーさんらしく、管理コストや施工コストを下げて価格重視の仕様になっていると考えられます。
雑草など現地管理事件簿
そんな現場の雑草処理問題ですが、私は若い頃は自社で新築を建築し販売する地場のハウスメーカーに勤めていた時があり、当然そうなると「自社現場は自分たちで管理しないといけない」という形になります。
大手だと草刈りおじさんみたいなのがいますが、中小企業は社員が草刈りします。
会社の倉庫から草刈機を出して、みんなで草刈りするというのが定期的に行われていました。
草刈りの仕上がりで怒られる。
ビックモーターさんのお話でも「環境整備」についてチェックする偉い人がいてその人が確認しにくるというようなお話もありましたが、私が勤めていたところも偉い人が草刈りの翌日とかに現場を回ってチェックをして、よくお叱りの電話がかかってきました。
草刈機で草刈るにしても「根を潰すような感じ深く刈らないとまたすぐ生えてくるやろ」「水平にしすぎてるん違うか」っていうお話を1時間くらい電話で聞いている時、
これ何で怒られてんねやろ。
って思っていました。
仮設トイレ破壊して異臭騒ぎに…
また草刈機を扱っていると刃物がグルグル回転するような危険なものですので、いろいろなものを傷つけたり、直接ではなくても飛び石で傷ついたりというのも気をつけないといけません。
一度同僚が、現場に設営されていた仮設トイレのタンクを傷つけたことがあり、そこから蓄積していた糞尿が現場に流れるという事件がありました。開発現場でもう住まれている方のたくさんいる住宅街の方に流れないように堰き止めながら仮設トイレを修復していましたが、
結局異臭騒ぎにはなっていました。
除草剤の原液を散布事件
ビックモーターさんの街路樹のお話を聞いて1番に思い出したのがこの出来事でして、そのハウスメーカーで勤めていた時の先輩社員が「いちいち草刈りするの面倒なので除草剤撒こう」というようなことをしたのですが、
いざ除草剤を買って散布すると瞬く間に草が枯れ。挙げ句の果てには隣地の方の植栽も心なしか元気がなくなっていたのでした。
でよくよく確認するとその先輩写真は薄めて凄い面積に使える除草剤を原液のままわずか120m2くらいの敷地に全部撒いたということだったのです。
その後私は辞めたので、その話が露見したのか知らないですが。
現場管理や草抜きにはそんなトンデモない事件簿もあったりします。
まとめ:建売新築一戸建ての販売で除草剤とか撒きますか?草抜きますか?
- 建売の草抜きは、売主?仲介業者?空気感による
- 除草剤は基本的には撒かない
- 防草シートを施工しているケースは建売住宅の場合は少ない
- 現場管理は不動産業界でもいろんな事件がある。
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