建売新築一戸建てを探していると「駅にもっと近い物件がいいのに全然ない」と思う方も多いと思います。「作ったら売れそうなのに」と思う方もいると思います
駅に近い建売開発現場なんてあまり見たことないですよね。
今回はそんな建売新築一戸建てで駅前の開発現場が少ない理由を紹介していきたいと思います。
建売新築一戸建ての開発現場が駅前になかなかできない
建売新築一戸建ての大型開発現場のイメージというと、山や田畑を切り拓いたような駅から少し遠い場所に建売新築一戸建てが並んでいるような感じがあります。なぜこのように駅近の建売開発現場できないのでしょうか。
単純に土地が仕入れられない
駅近の建売新築一戸建ての開発現場ができにくい理由は単純に、建売ハウスメーカーにとって駅近の大きな土地が仕入れられないからです。土地仕入れのライバルに持っていかれるということです。
そもそも建売新築一戸建てというと、皆さん知っているように完成して販売する商品は「比較的リーズナブルな新築住宅」です。ですのでその土地を仕入れるときに凄く高い金額で仕入れていると完成した建売を安く販売することができなくなります。
土地を仕入れてビジネスする仕事の中でも最も厳しい金額で仕入れを行っていかないといけないのが建売ハウスメーカーになりますので、仕入れの買取価格でも他社に負ける場合も出てきます。
駅前の大きな土地は集合住宅用地になる
それではどんなライバルと建売ハウスメーカーは土地の仕入れで競合するかというと、やはり大型の駅前の土地となるとマンションの建設用地を探しているような業者と競合します。
集合住宅系は売る商品が多いのでそもそも高く土地を仕入れることができるという部分もあります。
建売ハウスメーカーはその土地を何区画かに切って建売を載せて販売するというようなある意味平面的な話になりますが、マンションは何階建てかにもよりますがたくさんの部屋を作ってそれを売ることができます。
中規模の大きさの土地に関しても分譲マンションではなく賃貸マンションを建築するような業者に持っていかれるケースも多くなります。やはり空中に広げていけるようなビジネスには中々勝てない部分と、駅近とマンション・ハイツというのは親和性も高いので需要も新築住宅より見込めるというところもあるので、集合住宅系の業者さんの方が有利です。
注文住宅のハウスメーカーも買っていく
その他にも当然ライバルはいます。それは注文住宅のハウスメーカーです。
注文住宅は建売と比べて高い金額でも売れる、予算がそもそも高い人たちが購入する商品でもありますので、比較的価値が高い駅近の土地に関しても仕入れて販売するということに積極的です。
最終的に売れる金額高くなるので土地を仕入れる金額も上げることができます。もちろん建物の価格差によって建売ハウスメーカーも対抗しますが、良い土地ほど良い家を建てるハウスメーカーに流れていく傾向にはあります。
1区画の土地なら…一般売りで。
駅近の土地で大きな土地は色々なライバルに取られてしまう。それでは駅近の1区画の土地なら仕入れられる可能性も出てきます。小さな土地には集合住宅はそもそも建てられませんし、先ほどの注文住宅のハウスメーカーはあまり小さな土地は仕入れないという方針のところも多いです。
そうなってくると建売ハウスメーカーの出番というようなところになります。
実際駅に近い1区画から4区画ほどの建売の販売は時々見ますよね。
小規模な土地になると良いのですが、1区画になると今度はその土地の元々の持ち主だった一般の方が売主として新たに新築用地を探している方に対して不動産業者の仲介の助けを借りながら販売する、仲介販売が一般的になってきます。
この方が業者に買い取られるより持ち主さんの手残りが多いですので。
そうなるとまた、建売新築一戸建ての販売ではなく、注文住宅を建築する土地を探されている方のための商品になっていくということになります。
駅近の建売新築一戸建ての需要は本当にある?
駅近の建売新築一戸建てはできるのが難しいということを説明しましたが、それでは駅近の建売新築一戸建ては出来れば売れるのかという問題もあります。
いやいや欲しいです!と思われる方も多いと思いますが。
意外とそうでもないのではないかと思う節もあったりします。
駅近と建売は客層が微妙にズレる
先ほども注文住宅ハウスメーカーとの競争関係も話しましたが、建売と注文では建売住宅はどちらかというとリーズナブルな商品です。安さを売りにしているケースが多いわけです。
それに対して駅近というのは「駅遠」と比べると、どちらかというと希少価値があり、価格が高くなる傾向にあります。
この「駅近×建売」というのは意外と客層にズレが生じて売れない商品が誕生するケースも多いです。
具体的にいうと、駅近の新築住宅を探している、もしくはそんな物件を購入できるような所得をもつ層からすると「建売の建物が物足りない」ということになるということです。また建売を探す層からすると駅近の土地の価値のせいで価格は高くなり魅力的に感じないもしくはそもそも買えないという状態になる場合もあります。
お客さんはこの値段で「駅近がいい」って言っている。
建売の販売営業をしていると確かに「もっと駅近の物件がいい」というご意見も聞きます。しかしこれは見せてもらった建売物件と同じような値段で駅に近い物件がいいと言っているだけのケースも多いです。実際に建売で駅近の物件は予算外になったり、高すぎて引きます。
そして建売ハウスメーカーの仕入れ担当の営業マンも「もっといい土地ないですか?」「駅近の…」っていうご意見もよく聞きます。しかしこれも同じで駅近の物件が出てきても、ライバルが出すような金額には建売ハウスメーカーさんがついていけない部分があります。
これも同じで、いつもと同じような値段で駅近の土地を仕入れたいと思っているという部分もあるのかもしれません。
まとめ:建売新築一戸建ての開発現場が駅前になかなかできない理由
- 駅近の大きな土地は建売メーカーは仕入れが難しい
- 集合住宅や注文住宅などの土地仕入れのライバルがいる
- 建売は割安・駅近は割高でコンセプトがズレやすい
- 駅近の小規模な建売現場は時々ある
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