建売新築一戸建てを検討している時に、センチュリー21やハウスドゥといったフランチャイズ系の不動産仲介業者が多いことに気づきます。

フランチャイズ系の不動産仲介業者に依頼しても大丈夫なのでしょうか。
今回はそんな建売を検討しているときに絶対に一度は目にするフランチャイズ系の不動産仲介業者について現役不動産業者経営者の視点で解説していきます。
フランチャイズ系の不動産仲介業者とは
フランチャイズ系の不動産仲介業者って結構ありますよね。
どんな不動産系のフランチャイズがある?
不動産系のフランチャイズというとどんなものを想像するでしょうか。フランチャイズの店舗数のランキングで言うと
- アパマンショップ
- センチュリー21
- エイブル
- ピタットハウス
- ハウスドゥ
というようなフランチャイズ本部があります。アパマンショップやエイブルやピタットハウスは賃貸系ですので、我々売買の話で言うとセンチュリー21やハウスドゥといったフランチャイズが有名ですよね。
不動産業者がフランチャイズに加盟するメリット
まず不動産系のフランチャイズに加盟するメリットとすると
- 知名度が得られる
- 業務ツールなどが使える
- ノウハウを共有できる
というようなところがあります。何より加盟している不動産仲介業者が求めているのは、知名度の獲得というようなところでしょう。
不動産業は知名度勝負という側面があり、不動産購入や売却は一般の方にとっては人生を左右するような大きな決断になります。そんな時に

知らん会社に任せるのはかなり不安。
というような気持ちになるのは当然のことです。ですが知名度を上げていくのは一朝一夕でできることではありません。

私のようにYouTuberになるしかないです(笑)
そんな自分で知名度を上げる活動がなかなか難しいということで、手っ取り早く知名度を獲得する方法としてフランチャイズ加盟があります。加盟すればその日から「センチュリーさん」として認知してもらえるわけですから。
後のメリットに関しては正直それをメリットに感じるようでは売買仲介では厳しいという風に感じます。業務ツールやノウハウもないような状態ということは…そのほかの不動産業に必要なことはもっとないということなので…知名度があっても厳しいでしょうねって感じてしまいます。
不動産業者がフランチャイズに加盟するデメリット
逆に不動産業者がフランチャイズ加盟するデメリットはというと
- 加盟料やロイヤリティの費用
- 他社の不祥事の巻き込み事故
というのがあります。やはりフランチャイズに加盟するには凄い費用がかかります。知名度を得る代わりに利益率は下がるということです。
その他にも同じブランドを使っていることの風評被害もあります。

札幌のアパマンショップ爆発事故とかありましたが。。。
そんな大きな話だけではなく、建売新築販売などでは、例えばセンチュリー21の1社が無理な営業活動をした場合に、そのお客さんは他のセンチュリー21加盟店にも行かなくなりますし、売主ハウスメーカーもそれぞれ別の会社にも関わらず「センチュリーさんってこうでしょ?」っていうレベルで認識している担当者もいるため、そういったところで自分のせいではないのに不利な状態になっている場合もあります。
建売新築販売にフランチャイズ系が多い理由
不動産仲介のフランチャイズといえばセンチュリーさんやハウスドゥさんですが、こういったフランチャイズ系の不動産仲介業者さんはよく「建売新築一戸建ての仲介販売」をやっています。
これはなぜかというと、フランチャイズ系の不動産業態と建売販売というのは相性がいいからです。
まず新築探しこそ知名度を優先させるお客様が多いということも言えますし、また不動産営業マン個人の能力に依存するような取引は少なく、トラブルになりにくく、比較的営業自体シンプルという側面もあります。
フランチャイズ本部の助けもあり、不動産営業を仕組み化し、どんな人でも営業できるような業務内容がもっともフランチャイズ系不動産業に適していますが、そういった建売販売の業務のシンプルさがフランチャイズと相性がいいと言えます。
こういった理由から建売新築一戸建て販売でフランチャイズ系が多いという現象が出てくるのでしょう。
フランチャイズ系不動産仲介業者あるある

ここからは私が思うフランチャイズ系不動産仲介業者あるあるとともに、そんなフランチャイズ系の不動産業者に依頼するときの注意点について紹介していきます。
大手不動産業者の幹部社員が独立して加盟
フランチャイズ系の不動産仲介業者のあるあるとして「大手不動産業者の主要メンバーが独立するときに加盟しがちというところがあります。
他業界の話で言うとフランチャイズというのは「経験浅めの人・未経験の人でもできる」みたいなことを想像する方もいますが、不動産売買の場合は「猛者が加盟する」イメージです。

賃貸は時々未経験の人がフランチャイズ加盟して始めたりするらしいですが。
つまりは不動産売買でフランチャイズ系の不動産仲介業者に依頼する場合は、社長はどこ出身の人?っていうのを調べると楽しいです。「社長はどこの不動産業者の出身ですか…?」みたいなことを聞いてみてください
自分で知名度上げ頑張れよ。
大手不動産業者のトップセールスや幹部社員が独立する時にフランチャイズ加盟するのはかなり理にかなっています。
そんな「できる不動産営業マン」にとっては正直不動産営業はどこにいってもできるくらいの人が多いです。ですが唯一できないところが「集客」です。
大手不動産業者はそもそも知名度がありますので、その知名度を使った集客をします。ですのでその会社で凄い勢いで稼いでいた人も、集客のノウハウがない場合がほとんどです。そのポイントをフランチャイズ加盟によって補おうというわけです。
ですが厳しい話をすると、そんな不動産取引に関する高い能力があるなら、せっかくなんで

自分で知名度上げる努力しろよ。
って思ってしまします。自分の仲介サービスを売るために今までは「会社に頼ってた」のがこれからは「フランチャイズ本部に頼る」に変わっただけというような気がします。
中小企業に仲介してもらうのと変わらん問題
フランチャイズ系の不動産仲介業者に依頼する場合の注意点としては過剰に「大手に頼んでいるから安心」「悪いこともしないでしょ」って感じ思いすぎないことです。
フランチャイズ系の不動産売買仲介業者は大手の幹部社員・トップセールスマンが多いと言いましたが、そんな人が幹部やセールスですごい成績を上げるような状態になるまでには、少なからずグレーな販売方法もとってきたからそうなっていた場合も多いです。

そんな話するとフランチャイズじゃない不動産業者も同じようなもんですが。
そうなってくるとフランチャイズ系の不動産仲介業者に依頼するのも、非フランチャイズ系の不動産仲介業者に依頼するのも、実際の仲介には大差はありません。
不動産フランチャイズの場合、問い合わせるときに知名度があったから問い合わせしやすかっただけで、問い合わせた後は大差ない場合がほとんどです。
フランチャイズ増えすぎ問題
あと最近になって気になるのはフランチャイズ増えすぎ問題です。通りに同じブランドのフランチャイズの大型店舗がズラッと並んでいるエリアも結構あります。

不動産業者・美容室・歯医者は街にありすぎな気しますよね。
一昔前はフランチャイズ加盟に関しては「知名度を得ることができる」というところは本部が提供できる絶対の価値というようなイメージがありましたが、現在では加盟店自体が増えすぎて「知名度を食い合っている」というエリアもあります。
エリア制を導入してフランチャイズ店同士が競合しないような取り組みをしている場合もありますが、そうなる店舗も増えていってブランド力が強くなるというのが遅くなりますし、悩みが多いところです。
このフランチャイズ加盟店多すぎ問題は加盟店側も苦しい話で、そのエリアに1店舗しかない場合と3店舗ある場合では「知名度で来てくれるお客さん」が3分の1になっているわけですから、昔ほど儲からなくなったという加盟者の声も聞きます。
こんなことを考えると不動産仲介をフランチャイズ系の仲介業者に依頼する場合は地域に何店舗加盟店があるのかも確認してみるといいでしょう。
まとめ:フランチャイズ系の不動産仲介業者の注意点
- 不動産売買のフランチャイズといえばセンチュリーさんやハウスドゥさん
- お金を払って知名度を得ることができる
- 大手に頼んでるから安心と過剰に思わないことが重要
- フランチャイズ加盟店増えすぎてよくわからんようになっているエリアもある
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