不動産を購入するときに現金で買える人はかなり少ないと思います。多くの方が金融機関の住宅ローンを利用すると思います。
住宅ローンはお金がない人にお金を貸すサービスなので費用がかかります。費用が掛かるとなればやはり「お得に」借りられるところを比較して決めたいものですが、あまり知られていないことですが「住宅ローンのネット上での比較」は困難です。困難というか現状「不可能」です
住宅ローンは審査の要素がある。ですので人それぞれ全然違うというのが、ネット検索ではわからない部分がある原因ですね
「ネットにはこう書いてて」が一番困る。ネットから現実に出てきて!って何回言ったものか
今回はそんなネット上で住宅ローンを比較するときの問題点について解説していきます。
ネット上での住宅ローン比較が不可能な理由
最近ではいろいろなものがネット上で比較できます。何かを購入するときにはネット上で比較は欠かせない作業でしょう。
私もネットショッピングするときには最安店を探しています。
ですが住宅ローンではネット上で比較できるようであまりできない、そんな状況が続いています。その理由は4つほどあり、
①複雑な料金体系【保証料・手数料】
比較の難しさの課題となっているのが住宅ローンの複雑な料金体系です。まず借りるときに一時的にかかる費用としては、大きく分けて
- 保証料
- 融資事務手数料
の二つがありますが、これは同じ金額のお金を借りようとしても金融機関によって、保証料が高くて手数料が少額だったり、保証料は0円で手数料がすごく高かったりするので、単純に諸費用の額を比べようとしても、2つの費用を足して計算する必要があります。
そういった前提知識なしに金融機関側の「保証料なし」というような広告文句を目にするとそちらのほうが安いように感じてしまうケースも多いですが、実はほかのところで費用がかかるのであまり変わらないという場合がほとんどです。
保証料と手数料については「その闇」もふくめて別ページで解説させてもらいましたので、そちらもご覧いただければと思います。
②複雑な料金体系【金利】
さらにメインの比較事項ともいえるのは金利でしょう。
金利は借りている期間中関係してくるもので0.1%の違いで数百万円の損得になる可能性もあるので慎重に比較する必要があります。
金利に関しては単純にパーセンテージの低いほうが安いというものになりますが、こちらも金融機関がいろいろなプランを出しているので要注意です。
一見金利が安いように見えて、前述した保証料や手数料が割高になるプランはよく出されているプランといえるでしょう。金利を比較するためにも保証料や手数料なども組み合わせて比較しないといけないという住宅ローンの「複雑な料金体系」は一般の家を探している人には馴染みが薄く完璧には理解して比較できないことが多いです。
ここまでだとただ「複雑」なだけです。ネット比較が不可能とは言い切れません。情報収集してそれをまとめて体系的に理解する能力に長けた人ならまだ可能でしょう。ですがここからはそんな人でもなかなか不可能になってくる要素になります。
③住宅ローン審査の通りやすさが不明
住宅ローンの比較をネットで完結させるのが不可能な理由は、住宅ローンの審査の通りやすさが不明ということです。
不動産営業マンをしていて、皆さんが住宅ローンを検討してみて驚かれるのが「ネット上で検討していた金融機関の審査の厳しさ」です。
私は建売新築を販売しているので、低価格の物件が多く、必然的にあまり所得の高くない方とお話させてもらうことが多いので猶更かもしれませんが、ネット上でよく見かける金融機関の住宅ローンプランではどこも通らないという方が結構な割合でいます。
それほど「ネット上で」つまりは「全国的に」広告しているような金融機関は審査が厳しく、多くの方が審査が通らないので見ても仕方のない情報になってしまいます。
しかしHPを見ている一般のお客様にはそんなことわかりませんので、検討の参考にしようと比較します。結構な労力をかけてネット上で比較した商品が、自分の状況では購入できないということは他の商品ではあまりないですが、住宅ローンの場合は結構あります。
もし自分の状況で通る範囲の住宅ローンをピックアップするような機能があればものすごく便利な社会になるのですが、現状実用的なそのようなサービスはありません。
自分が審査を通って借り入れすることができる金融機関の比較というのはなかなかネット上では難しいのです。
④情報の偏り・アフィリエイトサイトの横行
住宅ローンの比較をネット上でできない理由の最後がネット上の「情報の偏り」です。
ネット上の情報の偏りの原因は2つあり
①アフィリエイトサイトの横行
②普通の銀行のネットに対するやる気のなさ
です。
まずアフィリエイトサイトの横行ですが、アフィリエイトサイトというのは、ネット上で記事を書き商品を紹介して、その記事がきっかけでその商品が売れた時に記事を書いた人に紹介料としてのお金がもらえる仕組みのサイトです。
住宅ローンについて検索するとほぼそういったアフィリエイトサイトというのが出てきます。違うのが見つからないくらい全部アフィリエイトサイトです。
アフィリエイト記事を書く人は、紹介してお金をもらえる金融機関の紹介をしたいわけですので、そういったアフィリエイトの取り組みをしている金融機関、主にネット銀行の情報を記事にして量産することになります。
そうなってくるとネット上にあるの多くは「ネット銀行」の住宅ローンという今の状態が作られるわけです。
笑ってしまうような話ですが、「借りてお得な住宅ローンランキング」なんていうページが、「紹介して自分がもらえるアフィリエイト報酬の多い住宅ローンランキング」に改名しても成り立つようなものもあります。
原因の2つ目は地方の金融機関のネットに対するやる気のなさもあります。地方銀行や信用金庫では借入するのにいくらの諸費用がかかるのかすらHP上に公開していない金融機関もザラにあります。
基本的にはそういうところは、地元の不動産屋を通じてや、実店舗の窓口にきて相談してくださいね、という取り組みなんでしょうが、さすがに情報量少なすぎない?と疑問に思う金融機関も多々あります。
そういった皆さんが検索して出てくるページには、アフィリエイトサイトばかりが出てきてそこではネット銀行の情報がたくさん書いてあり(アフィリエイターさんはお金を稼ぎたくて皆さんが検索するワードで上位表示されるように努力するので)、地銀とかの情報はでてこない(銀行管理のとりあえず出しとくHPになるので)という状況になり、ネット上では住宅ローンの情報に偏りがある状態になるのです。
(※あと住宅ローンアフィリエイトはあまり儲からないので、アフィリエイトするなら別の商材がおすすめです。)
【住宅ローン比較】ではどうすればいいのか。。。
それでは住宅ローンの比較をするにはどうすればいいのでしょうか。
①住宅ローンの審査を実際にしてみる
住宅ローンの比較をネット上でなかなかできない主な理由は「審査が通るか不明」という③番にあります。ですので解決策としては、実際に住宅ローンの審査をしてみるということが言えます。
やってみるとわかりますが、かなり面倒くさいと感じる方が多いでしょう。書類を探して提出したり、ネット上や申込用紙に必要事項を記入しないといけません。自分の名前や仕事のことならまだしも購入する予定の不動産のことなんかはわからないことも多いかもしれませんが実際に住宅ローンの審査をしてみて通るかどうか試してみるというのが一番いい方法でしょう。
②ネット上からでて不動産屋や銀行員に聞く
2つ目はネット上での比較はちょっと頑張ったくらいで切り上げて実際に不動産屋や銀行員に聞くというものです。
普通の不動産営業マンであれば、ご自身の職業や勤続年数・年収・借り入れ状況や自己資金の額などを伝えれば、「たぶんこの銀行は通る」「ここは無理」とかだいたいわかります。
もちろん不動産営業マンの場合は、単純に能力不足の人だったり・自分に都合のいい金融機関のごり押しだったりするケースもあります。複数の不動産屋にいったりする必要もあるでしょう。
銀行員の場合は自社商品のごり押しになりがちです。前述したように各社複雑な料金体系になっているのでごり押しと感づかれなくても、ある部分の説明を省くだけで自社の住宅ローンをするように誘導することも可能なので、こちらも複数の金融機関に行ってみてもいいでしょう。
ネット上での住宅ローン比較が不可能な理由:まとめ
ネット上で住宅ローンの比較が不可能な理由は、
- 手数料や保証料などの複雑な料金体系
- 金利なども絡めてさらに複雑になっている
- そもそも見てる金融機関で審査通らないことが多発
- ネット上にはアフィリエイトサイトが多く情報は偏っている
実際に不動産屋に聞いたり、実際に審査してもらったり動かないと比較できない。ネット上で完結するようなものが今後出てくることに期待。
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