新築一戸建てを販売していると、夫婦の収入合算で住宅ローンを組む方も結構いらっしゃいます。
夫婦の収入を足すと借入額もあがるのであきらめていた物件を購入することができるようになります。ですがそれにより支払額は増えていくので破綻リスクも上昇します。
収入合算は絶対にダメ!ではないけど、注意が必要なのは必要ですよね
無理してでもそれでも買いたいんやろうけど。。。心配になるケースは時々あるよな
今回はそんな夫婦の収入合算の危険性の部分について解説していきます。
収入合算の住宅ローンの危険性
収入合算の住宅ローンには、
- 連帯保証
- 連帯債務
- ペアローン
がありますが、これのすべてに言えることは、単独で借り入れをするよりも、多くの借入をするときに用いるケースが多いことです。
借入額が多くなるということは、返済の支払額も多くなるということで、破綻リスクが増えるということでもあります
収入合算は破綻リスクは増加する
収入合算は旦那さん単独で上限まで借りるより、多くの借入をおこしているために破綻リスクが若干上がっているケースが多いです。
例えばご主人さんの年収400万円で3000万円くらいの借入をすると、借入期間35年金利0.675%としたら支払額は80,217円です。
それが奥さんの年収300万円を足して700万円の夫婦とすると約5900万円くらい借り入れができます。同じ条件で支払額を計算すると157,762円です。
やはりここまで来ると少し借り入れが多すぎて破綻リスクが高まっているように感じます。
さらには単純な支払いの部分だけのリスク増だけではなく、人生におけるトラブルが原因で経済的に困窮するリスクも高まります
住宅ローンの期間は35年と長期になる場合も多く、その中で会社の経営不振やリストラ・減給・けが・病気などのリスクがあります。収入合算している場合は旦那さん側のトラブルだけでなく、奥さん側の出来事も大きくかかわってくるようになります。
収入合算は離婚した時ヤバい
たとえ支払いが問題なかったとしても、収入合算で大きなトラブルになるのが「離婚」です。
金融機関は2人の収入があれば返せると思ったからお金を貸してくれたわけで、それが「離婚したんで・・・」と言ったところで、片方の返済義務を免除してくれたりは普通しません。
離婚の慰謝料や養育費の話し合いを終えても、住宅ローンの返済で元配偶者とつながり続けなくてはいけなくて、さらには元夫の支払いが滞ったので、妻側に請求がくるというケースも多いです。
住宅ローンの収入合算などで家を買って離婚する場合の多くが
- 住宅ローンの支払いは夫がする
- 家は妻と子供たちが引き続き住む
- 夫は出ていって賃貸
というような感じになりやすいですが、普通に考えてこのスタイルでは相当の稼ぎがない限り元夫が滞納し始めるのは目に見えてます。夫が払えないと妻の方に請求が来て、、、というような話になってしまいます。
それでも収入合算したい【考えること】
そんな危険な収入合算ですが、不動産営業マンから言って「そんなに危険か?」と聞かれると「実際はそうでもない」と言えます。離婚リスクはさておき、破綻リスクに関しては、皆さん慎重に検討され無理のない収入合算をされるのと住宅ローンの金利というのは安く設定されすぎているので、支払は楽勝という場合も多いです。
次は住宅ローンで収入合算をする場合にはどんなことを考えてみればいいかを紹介していきます。
やはり支払額で無理がないか【破綻リスク回避】
破綻リスクに関していうと、支払額が無理なく払っていけるような金額なのかそれぞれの家庭で考えてもらうということにつきます。
「収入合算=借りすぎ=危険」という考え方の方もいますが、実際は住宅ローンの金利は低く、それほど支払額で難しい状況になるケースは少ないでしょう。
しかし一戸建ての場合は定期的な修繕費など維持費も貯金していく必要があります。そういったところも含めて計画を立ててみてください。
合算のパワー感も考えてみて【破綻リスク回避】
次に考えることは「奥さんが働けなくなっても大丈夫か」という類の話になります。その時に考えることは、合算している量になります。
ご主人さんの年収が600万円・奥さんの年収が70万円で合算して670万円の夫婦と、ご主人の年収が370万円・奥さんの年収が300万円の合算して670万円の夫婦は、リスクが全然違います。
言うまでもなく片方が働けなくなって、困るのは後者のご夫婦です。
同じ収入合算でも夫婦によって全然状況は変わってくるので、こういった合算する収入のパワー感も考えないといけません
離婚するかどうか考えてみて【離婚リスク回避】
離婚リスクを回避するというのは難しいですね。「収入合算の前に将来離婚するか検討してください。」というの無理ですよね
ですが結婚する相手として相応しいかと、収入合算する相手として相応しいかというのは別問題です。
つまりは収入合算するか考えるべきことは、「結婚してなくてもこの人の連帯保証人になれるか」です。
少し考えてみてほしい2つの質問があります
- 出会って半年の人と結婚できますか?
- 出会って半年の人の3000万円の借入の連帯保証人になれますか?
1は意外とイエスの人も多いと思います。2はだいたいノーですよね。
2の質問の「半年」を「10年」にしてもだいたいの人がノーかもしれません。
でも期間に関係なく結婚相手であれば連帯保証人になれる方は多いのです。そして結婚はそれほど期間に関係なく決断できるのです。考えてみれば不思議です。
このように収入合算するかは、「将来離婚するかどうか」を考えるより、「この人ちゃんと共同して払っていけるかな」という銀行の審査のような考え方が必要ということです。
収入合算の住宅ローンは危険?【連帯保証・連帯債務・ペアローン】:まとめ
収入合算のリスクは「破綻リスク」と「離婚リスク」
「破綻リスク」は無理ない支払いか、合算のパワー感などを検討
「離婚リスク」は結婚していることを一旦忘れて自分が保証人になっても大丈夫な人か銀行のつもりで審査してみてください
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