新築一戸建てを検討しているときに間取りについて考えることも多いと思います。注文住宅なら好きな間取りができるわけですし、建売住宅だとしても、最近は同じような間取りではなく、様々な間取りの建物から選択することができるようになりました。
リビング階段の物件は一建設さん中心に増えてますよね
間取りのバリエーションが豊富になっているので、お客さんも選びやすくなったと思う
今回はそんな新築の時悩む間取りのなかで「リビング階段」について、メリットやデメリット、それ本当?って話を不動産仲介業者目線で解説していきます。
リビング階段のメリット・デメリット
リビング階段とは、その名の通りリビングに2階に行くための階段がある間取りのことです。注文住宅で言うとお洒落度の高いこんなものがあるなか
建売新築一戸建て業界で言うと、リビングから階段が直結しているだけのこんな感じのものもリビング階段と言えます。
そんなリビング階段のメリットは、
- リビングの開放感・お洒落さアップ
- 家族のコミュニケーションが増える
リビング階段のデメリットは
- 空調が効きにくい
- 音・臭いが広がりやすい
- プライバシーが守られない
というのがあります。今回はメリット・デメリットを紹介した後、メリットの二つ目「家族のコミュニケーションが増える」というのって「本当?」って思いません?って話を解説していきたいと思います
リビング階段のメリット
リビング階段のメリットは何と言ってもちょっと「イイ感じのリビング」になる。これにつきます。
リビングの開放感がアップする
リビング階段のメリットと言えば、リビングの開放感があがりちょっとおしゃれな間取りになるということです。リビング階段の画像を検索すると、たくさんのお洒落なリビングを見ることができます。
特に吹抜けとの相性がよく、吹抜け+リビング階段というのは注文住宅を検討されている方の多くが希望される間取りになってきます。
建売新築ではリビング階段の物件は少ないですし、先ほどの写真のような、吹抜けではなく階段がリビングに直結しているだけの間取りも多いです。
そんな中で最近の建売新築でも出てきているのが、スキップフロアをとリビング階段を使った間取りです。
このような感じで、リビング階段とスキップフロアを組み合わせたりして、実用というよりかは「お洒落さ」「開放感」を求めた理想のリビングを作っていくというのが、リビング階段の本当の良さと言えます。
家族のコミュニケーションが増える
もう一つリビング階段についてよく言われるメリットが「家族のコミュニケーションが増える」というようなものです。
リビング階段の写真を見てもらって、吹抜け+リビング階段のお家の写真などでは1階のリビングと2階から家族で会話するような光景をイメージする方は多いと思います。
あとよくお客さんが言うフレーズで言うと、「子供が帰ってきた時、外出するときに子供がリビングを通るので、そこでコミュニケーションができる」というものです。
確かに子供と顔を合わせる機会が多くなるというメリットがあるかもしれません
リビング階段のデメリット
リビング階段にはメリットだけではなく、デメリットも当然あります。よく言われるのが「寒さ」問題です。
空調が効きにくくなる
リビング階段でよく言われるデメリットが、空調が効きづらくなるということです。
特に暖かい空気は自然と上に行ってしまうので、リビング階段や吹き抜けを通って二階の方に暖気が言ってしまうため、リビングの空調を使ってもなかなかリビングが温まってくれないということもあります。
対策としては、
- リビングの床に床暖房をつける(空調のパワーアップ)
- シーリングファンをつける(上の熱を循環させる)
- 高気密高断熱の家にする(熱が逃げるのをとめる)
というようなアプローチがあります。建売新築一戸建てでよくあるような、吹抜けとセットになっていないタイプのリビング階段なら、ドアやレールカーテンを付けて暖気がそもそも上に上がらなくするのも方法の一つです。
音・臭いなどが広がりやすい
熱とともに2階にすぐ伝わってしまうものとして、音や臭いもあります。
上に子供部屋などがあり、勉強中にリビングの音が聞こえて集中できなかったりすることは想像できます。臭いも意外とキッチンで作っている夕ご飯の匂いが上がってくるとお腹がすいてきて集中できないかもしれません。
対策としては、
- キッチンの換気をしっかりする
- キッチンと階段を離す
などがあります。ですが実際問題対策の効果は薄いです。キッチンの換気をしっかりすると換気扇の「音」が出たり、料理しているお母さんがめっちゃ寒い問題が出てきたりするという感想をよく聞きます。
キッチンを階段から離すのも限界があります。どんなお家でも30帖40帖のリビングがあるわけではないので離してもほぼ効果は無い場合が多いです。
来客時などにプライバシーが守られない
リビング階段の最後のデメリットとしていえるのは、プライバシーが保てないというようなことです。
最近では家族の間でも一定のプライバシーや距離感が欲しい家庭もありますが、そういった家庭には向かないと言えるでしょう。
特に来客時のプライバシーが気になる方が多く、
- 2階まで綺麗にしておかないとダメなのが苦痛
- 子供などが来客と顔を合わせたくないので自室に軟禁状態になる
などという感想も聞きます。
リビング階段のそれ本当?
最後にリビング階段のそれ本当?という部分について解説していきます。
その部分はずばりメリットの2つ目に挙げた「家族のコミュニケーションが増える」という項目が本当なのか、という部分です。
家族のコミュニケーションは「間取り」で変わる?
リビング階段で家族のコミュニケーションが増えると言ったりする記事やお客さんの発言を聞いていてめちゃくちゃ思うのが、「それは間取りで解決するかな?」という疑問です。
当然ですけど、和気あいあいとした家庭をリビング階段じゃない間取りに入居させてもコミュニケーションは多いでしょうし、冷え切った家庭をリビング階段に入居させても関係は改善しないでしょう。
ネット記事などの場合は、コピペしたもしくはリビング階段のメリットを無理やり捻りだすために「家族のコミュニケーション」を出してきたってケースが多く
実際に言ってるお客さんに関しては、ただのネットや知人の受け売りもしくは人間関係の問題を「家の間取り」の問題にすり替えてる人という傾向があります。
リビング階段の家族団らん効果のコスパは?
とはいえリビング階段はちょっとはコミュニケーション向上の効果あると思います。ですが本当にちょっとだと思います。
先ほど言ったように人間関係の問題だと思うので、例えば子供との関係性の話で言えば、子供の教育系のページやYouTubeチャンネルを見て、自分がどのように子供に接するか親として自分を見つめなおした方が、リビング階段にするより遥かに効果があると思います。
リビング階段のコミュニケーション向上効果を信じているならリビング階段にしたら追加でいくらかかるのか、コスパがイイか考えたほうが良いです。
牢獄の監守?それとも慈愛あふれる親
特に不動産営業マンとして気になるのは、「子供の外出・帰宅の時にリビングを通らないといけないので・・・」というお客さんの発言です。
「え?牢屋の監守なの?」という疑問が出てきます。リビング階段じゃなくても帰ってきたり、出ていくのはわかるでしょと思いますし、私が子供で外出したいけどリビング階段なのでリビング通らないと外出できないという状況になったら、2階から飛び降りて外出すると思います。
お洒落でリビング階段に憧れているだけ
ただリビング階段が良いんです!って言っている人ほとんどは、お洒落なリビングに憧れているだけです。本当に家族のコミュニケーションが増えると思っている人は少ないです。
家族のコミュニケーションが増えるからと言っている人の特徴は
- ネット記事・知人の受け売りで本当はよく考えてない
- お洒落なリビングに憧れてるだけだけど、実用的な理由付けをしたい
理想の新築を目指しているわけで、新築一戸建ては「無駄遣い厳禁」の商品というより、自分の希望をかなえていく「贅沢品」の商品です。
「かっこいいからリビング階段が良いんです!」って言った方がかっこいいと思います。
【新築一戸建ての間取り】リビング階段のそれ本当?【メリット・デメリット】:まとめ
リビング階段のメリットは
- リビングの開放感・お洒落さアップ
- 家族のコミュニケーションが増える
リビング階段のデメリットは
- 空調が効きにくい
- 音・臭いが広がりやすい
- プライバシーが守られない
メリットの2こめ「家族のコミュニケーションが増える」っていうのは、普通に考えたらそんな効果はほんとど無い。
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