新築一戸建てを販売していると、過去の延滞など借入事故により住宅ローン審査が厳しい人にも出会うことがあります。そんな方々が気になるのは、ブラックの履歴は何年で消えるのかということです。
個人信用情報の保存期間の話と現実として通るようになるにはって話がありますね
思ってる以上に残り続けているケースが多いのが現実やな
今回はそんな住宅ローンにおけるブラック・個人信用情報の履歴は何年で消えるのかというお話をしていきたいと思います。
ブラックの履歴って何年で消える?
YouTubeやネット上で情報発信などをしていると、個人信用情報に関するご質問
「こんな状況なんですけど、通りますか?」
というご質問を結構いただくことがあります。その中でも過去「自己破産」「債務整理」などをされてそれが消えているのか、いつ消えるのかというご質問を受けることも結構あります。
おもに個人信用情報機関というのは、
- 【CIC】株式会社シー・アイ・シー
- 【JICC】株式会社日本信用情報機構
- 【KSC】全国銀行個人信用情報センター
の3種類があり、それを調べることにより消えているかどうか確認することができます。
自己破産の個人信用情報の保存期間
まず自己破産された方の個人信用情報の保存期間は
信用情報機関 | 自己破産の信用情報が消えるまでの期間 |
CIC | 事故情報の発生から5年 |
JICC | 事故情報の発生から5年 |
KSC | 破産開始の決定から10年を超えない期間 |
あくまでこちらの信用情報機関の保存期間で自己破産などは後で出てきますが「官報」の記録も住宅ローン審査には大きく影響します。
任意整理の個人信用情報の保存期間
次に任意整理された方の個人信用情報の保存期間は
信用情報機関 | 任意整理の信用情報が消えるまでの期間 |
CIC | 契約終了から5年 |
JICC | ①令和元年9月30日以前の契約→事故情報の登録から5年 ②令和元年10月1日以降の契約→契約終了から5年 |
KSC | 任意整理が事故情報として登録されることはない |
長期的(2か月以上)な延滞情報の保存期間
最後に自己破産や任意整理まではいかないものの、長期的な延滞に関する個人信用情報ですが、これは基本的には、「延滞が解消されてから5年間」になります。
よくある例で言うと、普通に支払う形が崩れ督促状が届いてから支払う生活になり、毎月払ってはいるけど毎月滞納がつく方や、引っ越しなどをキッカケに10年以上前の数万円の借入が気づかずにずーっと今まで毎月延滞記録が残っている方もいます。
営業マンの感覚では5年とかは無理
個人信用情報の保存期間がこの期間であるとしても、住宅ローンの審査は過去の記録見つかったから通らないわけでも、もう消えているから通るわけでもないというのが難しいところにはなります。
不動産営業マンの感覚としては
債務整理して7年経っているので俺は大丈夫です!
って言う人が来たら正直「大体あかんやろな」って思います。この辺りは情報の保存期間とは少しズレがあるかなと思います。
①完済して5年やから問題
まず一つ目に言えるのが「完済して5年やから」問題というのがあります。完全に綺麗になってから5年経たないとダメということで、借り入れを何とかする手続きをしたのはイイものの、整理するのを忘れた借入が残っていてずっと信用情報に記録が残っているケースが最も多いです。
本質的な話ですが、多重債務的になる方は「管理能力が不足」しているケースが多く、債務を整理する手続きに関しても、手続きが難しいのとネガティブな手続きということもあり、何故か全部の借入を完全に処理できていないケースが非常に多いです。
②10年保存の情報もあるから
二つ目は単純に保存期間が5年ではなく10年のモノもあるということです。
5年過ぎたから大丈夫という認識でいる場合もありますが、意外と10年のやつもありますので・・・3つの信用情報機関すべてをチェックする必要があります。
③自己破産で官報に載っている
自己破産に関しては、この3つのほかにも「官報」というところに記録がされます。官報は基本的には半永久的に記録されているので消えません。
金融機関によっては住宅ローン審査の際に官報は見ないという金融機関もありますのでそういった所を使って住宅ローンを通す必要があります。
ただ金融機関の「官報を見ない」という表現もあやふやなところがあり、完全に見ないというわけではなく「調べはするけど考慮にいれないかなー。まあわからんけど。」的な感じのところが多いです。
④銀行が何故か知っている問題
最後に何故か銀行が知っているというケースもあります。
先ほどの個人信用情報の保存期間は5年や10年と割と短めの期間なので、耐えればギリギリ耐えられるというような状態ですが、金融機関が独自に保存している情報は、適切に管理さえすれば別にわざわざ削除する必要は無い顧客情報です。
昨今の消費者金融やカードなどと銀行業界の関係は複雑で実はグループ会社で運営しているというような運営主体が同じだったりするケースもあり、そのようなルートから住宅ローンの審査をする際に金融機関が独自で調査して情報を仕入れていくシステムになっているケースもあります。
個人信用情報は「総合評価」でもある
しかし先ほども言いましたが、住宅ローン審査は
- 過去の履歴がバレたから通らないわけでも
- もう既に消えているから通るわけでもない
ということは言えます。住宅ローン審査に限らず金融機関の融資審査はスコアリングで行われるもので、総合評価になってきます。
過去の履歴があったとしても、それを補う要素があれば住宅ローン審査に通るケースはあります。勤め先などの属性が良いとそれだけで何とかなる場合もありますし、個人信用情報に問題の無い期間をできるだけ長く作ること、年収に対して借入額が少なくても通りやすい要因になるので自身で努力できるところから取り組んでみるのも一つかと思います。
【まとめ】ブラックの履歴って何年で消える?
- 個人信用情報の保存期間は5年~10年
- ただ住宅ローン審査はそんなに甘くない
- でも消えてるかどうかは大事なのできっちり手続きして待とう
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