建売新築一戸建てを販売していると、建売大手のハウスメーカーグループ中心に販売する機会が多くなります。そうなるとハウスメーカーごとの性能の比較というのもやはり家探しの重要な要素になってきます
一言「性能」と言っても難しいですので今回は住宅性能評価制度における等級の比較をしようと思います。
一番有名な奴で言うと「耐震等級」とかそういう奴やな
ということで今回は飯田グループ各社を中心に住宅性能評価の等級比較を行っていきたいと思います。
飯田グループ建売ハウスメーカー各社・等級比較
今回は我々の販売エリアでよく販売されている建売新築一戸建てのハウスメーカーである。
アーネストワン・一建設・アイディホーム・東栄住宅・タクトホーム・飯田産業の飯田グループホールディングス6社に加えてファースト住建とハウスドゥの計8社について、グループに分けて等級比較をしていこうと思います。
①等級比較での第一グループ
まず一つ目のグループは、一建設・アーネストワン・東栄住宅のクリアしている等級のグループです。このほかにも項目はありますが主要なものだけの比較にさせていただきます。
項目 | 等級 | 最高等級 | 分野 |
耐震等級 | (倒壊)3 (損傷)3 | ● ● | 構造の安全性 |
耐風等級 | 2 | ● | 構造の安全性 |
劣化対策等級 | 3 | ● | 劣化の軽減 |
維持管理等級 | 3 | ● | 維持管理 |
断熱等級 | 5 | × | 温熱環境 |
1次エネルギー消費量等級 | 6 | ● | 温熱環境 |
ホルムアルデヒド対策等級 | 3 | ● | 空気環境 |
●がついている部分が最高等級を取得しているところになります。断熱等級は最高等級が「7」になっています。2022年に6と7が新設され、以前は断熱等級も最高等級でしたが、ここの分野は現在は最高等級ではなくなっています。
一建設の等級に対する表現
詳細は一建設さまHPをご参照ください。
最高等級取得を標準化している5分野7項目という表現になっています。
上の表のとおり5つの分野と7つの項目で最高等級をとっています。
ほとんどの会社でそのような表現になりますが、「温熱環境」の分野で最高等級を取得と表現していますが、断熱等級は5で最高等級ではありません。1次エネルギー消費量等級で最高等級を取得しているのでこの分野でも最高等級取得しているという表現に各社なっています。
アーネストワンの等級に対する表現
詳細はアーネストワン様HPをご確認ください。
アーネストワンさんは、何分野何項目で最高等級!とも書いていなければ、各分野の取得している等級が最高等級なのかどうなのかも記載はない感じになっています。
よく言うと作られている建物と同様、過剰な表現にこだわらない、シンプルかつ情報伝達に最小限の情報し書かれていないHPです。まあ悪く言うと「誰が作ったんやろ?」って思うHPです。
東栄住宅の等級に対する表現
詳細は東栄住宅さまHPをご覧ください。
こちらも一建設同様5分野7項目で最高等級取得としています。
一建設との表現の違いで言うと「ブルーミングガーデンシリーズは全棟、住宅性能表示制度5分野7項目で最高等級取得」という感じで、標準化というやんわり表現ではなく、全棟取得という言い切り表現にしています。
もちろんエリアや個別の案件により違う物件もあるかとは思いますが、表現に気合が入っています。
また性能評価取得によるメリットなどの表記も詳細でわかりやすい作りになっています。
②等級比較での第二グループ
次に第二グループは第グループとは温熱環境に関する等級が一つずつ低くなるグループになります。こちらのグループは、飯田産業・タクトホーム・アイディホームがあります。
項目 | 等級 | 最高等級 | 分野 |
耐震等級 | (倒壊)3 (損傷)3 | ● ● | 構造の安全性 |
耐風等級 | 2 | ● | 構造の安全性 |
劣化対策等級 | 3 | ● | 劣化の軽減 |
維持管理等級 | 3 | ● | 維持管理 |
断熱等級 | 4 | × | 温熱環境 |
1次エネルギー消費量等級 | 5 | × | 温熱環境 |
ホルムアルデヒド対策等級 | 3 | ● | 空気環境 |
一般的には4分野6項目で最高等級を取得しているという表現になります。さきほどのグループと比較すると断熱等級は5→4になり一次エネルギー消費量等級が6→5に変化しています。
飯田産業の等級に対する表現
詳細は飯田産業さまのHPをご覧ください。
どちらかというとアーネストワンさん寄りの簡潔なそしてちょっと昔ながらのHP構成になっていますが、今回比較している主要項目以外の項目についてもイラスト付きで分かりやすく自社仕様の等級が解説されています。
タクトホームの等級に対する表現
詳細はタクトホーム様HPをご参照ください。
まず「最高等級を全棟で取得」という6社のなかで一番ざっくりした表現で書かれています。
その後に6項目で最高等級を取得という表現とともにその6分野の内容が解説されています。挿絵の多い今風の見やすいHPになっています。
基本的には最高等級を取得していない項目については断熱等級であっても記載しないという方針という感じが特徴的です。
アイディホームの等級に対する表現
詳細はアイディホームさまHPをご参照ください。
メインは「住宅性能評価の4分野で全棟最高等級を取得」という表現になっています。どの分野どの項目でどの等級を取っているのかの詳細の記載はHP上にはないので実際の直近の契約分でこちらに分類させていただきました。
4分野6項目で最高等級を取得している場合、どうしても広告で良く見せたいと思うとタクトホームさんの例のように数字の大きい「6項目」の方を使いたくなる気持ちがありますが、なぜか「4分野」の方を使うという謙虚さがあります。
③住宅性能評価取得なしグループ
3つ目は住宅性能評価を受けていないグループです。飯田グループホールディングスの会社では無いですが、ファースト住建や・ハウスドゥなどがあります。
住宅性能評価制度は正直に言うと数年前の建売新築一戸建て業界では一般的ではありませんでした。上記に説明した飯田グループ各社が住宅性能評価制度利用することになり一般的になって来たところもあり、以前は
「評価してもらうだけで費用がかかる。そんなものをするくらいなら良い家を作ったり、お安く提供したほうが建売は良い」
という考えの企業が多かったところがあります。住宅性能評価制度利用ナシ組はそういった違った方針の取り組みをしているという意味であり、性能評価を受けていないからダメという結論もかなり性急ではあります。
ファースト住建の等級に対する表現
ファースト住建さんは基本的には今のところ住宅性能評価制度を利用していない物件を展開していますが、サステナビリティに関する取り組みに関するページには、
- 「住宅性能評価取得への取り組み」
- ZEHへの取組(モデルルームを作り展開を検討中)
などこれから取り組んでいく可能性があるということを紹介しています。
ハウスドゥ・ジャパンの等級に対する表現
ハウスドゥ・ジャパンさんのHPには住宅性能評価制度の表現は特にありません。
そもそも住宅性能評価制度の利用はないので当然と言えば当然です。
あくまで等級の比較ですから
今回させていただいたのは飯田グループホールディングスの6社とファースト住建・ハウスドゥの住宅性能評価制度の等級の比較でした。
あくまで取得している等級の比較ですので、決定的な優劣ではなく一つの要素として検討していただければと思います。
また住宅性能評価を取得していないグループに関しても、その分のコストを建物の仕様やサービスの向上にコストを避けるという側面もあります。
そういった側面を含めて「等級の比較」に偏ることなく、「自分が重要視する実際の性能の比較」をしていく必要があるかもしれません。
飯田グループ建売ハウスメーカー各社・等級比較:まとめ
- 飯田グループ中心に等級比較してみた
- 広告表現方法で各社の性格を予想してみるのも楽しい
- 等級比較にこだわりすぎると良くない。
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