建売販売のキラーフレーズ「家賃と比べてください」を論破してみよう。

現在の家賃と比較してくださいという営業トーク 住宅ローン

建売新築一戸建てを販売するときによく言う営業トークというものが数個ありまして、その代表的なものが「現在の家の家賃と比較してください」というようなものです。

おるすま内田
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たぶん今までの人生で何万回といったと思います。

今回はこの今借りている賃貸の家賃とこれから買う不動産の住宅ローン支払いを比較するという営業トークについて解説していきたいと思います。

営業トーク「現在の家賃と比べて」

YouTubeおるすまチャンネル「この営業トークの嘘」

現在の家賃と比較してくださいというのは、新築一戸建て系の不動産広告にもよく出てくるフレーズですし、現場での営業活動について言ってもよく言われる言葉でもあると思います。

実際に比べてみるのは重要

この営業トークには「?」と思う部分も大いにありますが、確かにそれを比べてみる必要もあります。同じ住居費で出ていくお金でもありますし、今まで家賃の支払いがあったものが無くなった、新たに住宅ローン支払いが増えるということですから、そこを比較することによって支払いができるのかどうかを確認する必要があります。

逆にいうとそもそもそこの単純な比較でちょっと厳しいかなと思うようなら、新築一戸建ての購入を検討しなおした方がいいということになります。

今の家賃と同じだからいける!ではなく、最低限の条件クリアという観点で考えてみると有意義な検討要素です。

建売新築販売では強力なトークになる理由

この営業トークは居住用の不動産販売全般でよく使われるフレーズではありますが、建売新築一戸建て販売では最もよく使われるトークになります。

それは建売新築一戸建ての場合は比較的低価格の物件も多くなってくるため、周辺の賃貸住宅と比較しても住宅ローン支払いが下回る可能性が高いからです。

せっかく比較したのに注文住宅を建築するということで、今住んでいるハイツの家賃を超えてしまうと営業トークとしてはあまり効果がなかったりしますが、「新しい家に住める」プラス「支払いも安くなる」というようなことになりやすい建売住宅販売では使いやすい営業トークになっています。

おるすま内田
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営業の前半で「今の家賃っていくらですか?」っていうのは、この営業トークを使えるのかを調べておくための質問になります。

時々ものすごくお安い公営住宅などに住まれている方で「今の家賃が3万円です」とか言われると、営業マンとしては「営業トーク使えないな」って残念な気持ちになります。

この営業トークの疑問点

現在の家賃と比較してくださいという営業トーク

しかしこの「現在の家賃と比較してください」という営業トークには、本当にそんなに単純に比較していいのか?という疑問点がいくつかあります

修繕費や税金などは考えていない

この賃貸の家賃と、購入した不動産の住宅ローン支払いを比較するときにまず指摘される問題点は、修繕費や固定資産税の支払いなどのその他にかかる維持費を計算に入れていないというところがあります。

賃貸の場合はもし建物に何か問題が起こっても、大家さんになおしてもらうというのが基本になりますので、借りている住人には大きな負担はありません。しかし不動産を購入すると経年劣化で建物に不具合が出てきた場合も自分で費用負担をして直さないといけません。

屋根や外壁などの不良が起きた場合は何百万もの費用をかけて修繕する必要も出てくるため、そういった費用を計算に入れずに、家賃と住宅ローンの支払いを単純に比較するのは問題があると言えます。

また不動産を所有すると固定資産税や都市計画税といった税金の支払いが必要になります。こういったことも賃貸住宅に住んでいるときには存在しない費用負担ですので、こういった新たに生まれる費用もしっかり足して比較しないと正確な比較になりません。

どれだけ修繕に熱心かによって修繕費をかける金額も変わってきますので、修繕費も人によって違うという難しさもあります

同じ住居費でも2つは意味合いが違う

さらには賃貸住宅の家賃と、購入した不動産の住宅ローン支払いは同じ住居費ということもできますが、性質はやはり少し違うので単純には比較しづらい部分があります

例えば、賃貸住宅のメリットとしては「引越しが容易」というところがあります。逆の言い方をすると引越しが簡単にできます、いつでも違うところに移り住めますというメリットを、割高な家賃で買っているという言い方もできます。

こんなことは難しいと思いますが、賃貸で借りている大家さんに

これから35年間ここに住み続けます。もしそれまでの間に出て行くなら多額の違約金を払います。ですので家賃を下げてください

と交渉したら下げてくれる可能性も高いと思います。

住宅ローンというのはこういった条件のもとお金を借りてきているということですので、家賃よりもいい条件で住めて当然と言えば当然というお話にはなります。片方は長期的にお金を借りる話、片方は2年を目処に部屋を借りる話で、期間が違うだけでも大きな条件の違いがあります。

こういった意味では住宅ローンの支払いと家賃では土台にしている前提条件が全然違うので、それにかかるコストが違うのも当然です。

その代わりに資産は手に入る?議論は永遠に…

しかしそういった住居費としての前提条件の違いもありますが、別の意味では賃貸住宅の家賃の支払いは「掛け捨て」であり、住宅ローンの支払いでは「資産が手に入る」という意味合いの違いもあります

おるすま内田
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この考え方を重視すると住宅ローン支払いの方がお得に感じます。

しかし、よく皆さんが購入されるような「新築物件」というものは果たして「資産」と呼べるのか?住宅ローンで借りた額以上の価値がないものを購入しているのは「負債が増えただけではないのか?」というような話もあり、議論は永遠と続くことになります。

新築一戸建てを購入することや、住宅ローンの支払いや家賃支払いのどっちがお得かは「価値観」の要素が多くなりますので、数字の比較ではなかなか答えが出ないものです。

まとめ:今の家賃と比べてくださいという営業トーク

  • 建売新築では今の家賃と比較してくださいはよくある営業トーク
  • 家賃支払いと住宅ローン支払いは同じ住居費でも違うもの
  • 単純に比較することにあまり意味はない

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