建売新築一戸建てを販売している不動産業者を経営し不動産系のYouTubeチャンネルを更新しているわけですが、不動産業者がYouTube活動している中で気をつけないといけないことが
広告としての表現や言葉の選び方です。
他の業界にもあると思いますが、不動産業においては広告のルールがありますので、場合によっては法律違反というような表現をYouTube上でしてしまうケースもありますので、この辺は細心の注意が必要です。
YouTubeで見られる不動産業者の誇大広告・どんな言葉がNG広告なのか。
不動産業者のスーモやホームズ・アットホームなどのネット広告や、紙でのチラシなどを見ていると、広告のルールを守った表現のものがほとんどですが、やれYouTube・Instagram・X・TikTokなどになると広告のルールを破った誇大広告的な表現も結構あります。
不動産業者には広告のルールがある
不動産業者には「景品表示法」や「宅建業法」、そして「不動産の公正競争規約」「不動産の公正競争規約施行規則」と呼ばれる広告に関するルールがあります。
大雑把にいうと優良誤認表示と言われるような「実際のものよりもより良いものと誤解されるような広告」はやってはいけないことになっています。
不動産業者の事務所を探すと大体この冊子が出てきます。
宅建業法32条には
宅地建物取引業者は、その業務に関して広告をするときは、当該広告に係る宅地又は建物の所在、規模、形質若しくは現在若しくは将来の利用の制限、環境若しくは交通その他の利便又は代金、借賃等の対価の額若しくはその支払方法若しくは代金若しくは交換差金に関する金銭の貸借のあつせんについて、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
宅建業法32条
不動産の公正競争規約18条の2には「特定用語の使用基準」という項目があり、「最高級」「最高」などなど様々な言葉の使い方についてルールが定められています。
違反した場合は程度によっては業務停止などの処分もあり得ます。
YouTubeやSNS系もルールを守らないとダメ
このルールは何もスーモやホームズ・アットホームなどの不動産売却物件が掲載されているようなポータルサイトや自社ホームページのみ守らないといけないルールではなく、YouTubeやXなどのSNS系の情報発信でも守らないといけません。
先ほどの公正競争規約でも、「用語の定義」のところで広告については「インターネットによる広告表示」とネット上の表示の全てでこういったルールを守らないといけないことが決められています。
私はYouTuberとして知られているので、協会の方とかと話すとYouTubeでもルール守った表現でね!って声をかけられたりします。
SNS系はあまりルールが守られていない
不動産業の広告に関しては誇大広告や優良誤認表示というのはしてはいけませんが、SNSでの情報発信になるとルール違反とも言える文言が使われたりしています。
これはなぜかというと。
SNS以外のスーモやホームズ・アットホームなどのポータルサイト系は情報を入力する際に「禁止用語」が設定されていたりするため、そのような文言を入力するとアラートが出る仕組みなどが導入されていますので、最初から使うことができないという仕様になっているのが普通です。昨日から入社した事務員さんが入力していても間違って禁止用語を書いてしまうことはないわけです。
しかしSNSにはそんなシステムもないですので、意識の低い人が運営していると使ってはいけない用語も平気で使っちゃいます。
さらには編集やサムネイル・説明文などの入力を不動産業者の社内で行わず動画制作会社などに外注していると、動画作りの専門家でも不動産の広告に関する法律には詳しくないので、そういった外部の方が禁止用語を使ってしまうという側面もあります。
例えばどんな誇大広告がされている?
次に新築一戸建てのYouTubeでどんな誇大広告っぽいものがあるのか探してみましたので紹介しておきます。
「最強」の建売新築をご紹介
住宅の性能や設備の素晴らしさは皆さんに伝えたいものですが、
という表現もYouTubeショートで見かけました。
最も強いという表現ですが、「最も」「1番」という意味ですので、合理的根拠を示す資料などがある場合を除いては使うことができません。
この建売「激安」です。
建売新築一戸建てというと価格のリーズナブルさが魅力の物件が多いですが、
はあまり良い表現ではありません。めちゃくちゃ安い印象を与える表現も合理的根拠が必要になります。
ドンキホーテさんの「驚安」とかも有名ですが不動産業界では使いづらい言葉です。
もちろん一般の方が自分が買った家や、街で見かけた物件に関して「激安」っていっている分には広告ではないのでOKですが、不動産業者が販売物件に対して書いてあるのはNGです。
セキュリティは「完璧」
新築一戸建ては最近では防犯設備にも優れたものも多く、カギの仕組みなどもセールスポイントになってきますが、
なんて表現もよくありません。完璧・完全なものは基本的にはないですからね。
個人的に気になるのは。
「絶対」に失敗しない住宅ローン選びというような表現。「絶対に失敗しない住宅ローン選びを貴方に提供します。」と言っているわけではないので「役務の提供に関する広告ではない」と考えられるのでグレーとも取れますが、ちょっと気になります。
日本一〇〇・日本初〇〇
自分たちが素晴らしい不動産業者であることを示すのも重要ですが、
などもちょっと気になります。「日本一おもしろい不動産業者」とかそっち系の表現は面白おかしく悪意なく言葉を選んでいるのはわかりますが、面白さよりコンプライアンス意識の低さの方が気になってしまいます。
南向きで日当たりは「抜群」
新築一戸建てをはじめ居住用物件では日当たりをセールスポイントにしたりします。そんな日当たりとセット出てくるのが「抜群」です。
これも他と比べて著しく優位であることを示す言葉です。日本一や日本初なんかよりは日常用語化してしまっているので、経験の浅い不動産営業マンや事務員の方に文章を考えてもらう時には使ってしまいがちな言葉になります。
子育てに「最適」の環境
その他にも日常用語化しているものに関しては「最適」などがあります。
最も適しているという言葉ですが、日常用語的にも使いますし、その時には地球上で「最も適している」という証拠を求められるような状況でもなく使うパターンも多いのですが、やはり広告として使う場合は「最適かどうかの合理的根拠」はないので使うべきではないでしょう。
まとめ:YouTubeで見られる不動産業者の誇大広告
- スーモとかホームズとかアットホームは誇大広告少ないけど
- YouTubeとかTikTokとかSNS系は誇大広告多い
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