不動産の売買や賃貸で発生してくる仲介手数料。この仲介手数料っていつ払うのが普通なの?と思ったことはないでしょうか?
建売販売の場合は基本的には引き渡し時に仲介手数料含め全部精算する形になりますよね
基本的には全部決済時やな
ここではそんな仲介手数料の支払い時期について解説していきたいと思います。
仲介手数料の支払う時期・いつ払う?【売買契約時なのか引き渡し時なのか】
不動産の売買における仲介手数料の支払い時期は、通常は契約時に半額を支払い、物件の引渡し時に残りの半額を支払うのが普通です。
取引や不動産業者によっては、引渡し時に全額支払いという形をとっているところもあります。
仲介手数料いつ支払うかの前提知識
前提知識として、不動産の取引は大雑把に説明すると
- 内覧・購入の申込
- 売買契約
- 住宅ローンの本審査や契約
- 引渡し
という流れで進みます。2と4のときに半額ずつ払うか、4の時に全額払うのが普通ということです。
そして不動産売買の仲介手数料がいくらくらいかということについては、こちらのページをご参照ください。
例えば3000万円の物件を購入する場合は、3000万円×3%+6万円+消費税で1,056,000円です。
仲介手数料は契約時に半額、引渡し時に半額が普通
不動産の仲介手数料は売買契約の時に半額、物件の引渡しの時に半額支払うことが一般的です。
引渡しの時に手続きがすべて終わるのだから、引渡しの時に全額支払う方が正しいと思う方もいると思いますが、
仲介手数料の請求というのは売買契約の時にできると考えられており、売買契約を解除された場合にも、仲介手数料を請求することができるとも考えられています。詳しくはこちらのページをご覧いただければと思いますが、
売買契約を解除した場合にも「半額は仲介手数料を支払わないといけない」ので、売買契約の時に仲介手数料の半額をもらっておいた方が、万が一キャンセルになったときもトラブルが少なくて済むということで、契約時に半額・引渡し時に半額の仲介手数料を払ってもらう不動産業者が多いのです。
「仲介手数料はいつ払う」全日本不動産協会の見解
宅建業法などには特に契約時に半額しはらうとも書かれていませんが、全日本不動産協会のHPには、支払の時期についても協議して決めるようにということと
一般的には契約締結時に仲介手数料の50%を支払い、引き渡し完了時に残りの50%を支払うことが望ましいとされています。
https://www.zennichi.or.jp/public/knowledge/buy/chukai/
ということが書かれており、仲介手数料の支払時期については「契約時に半額、引渡し時に半額」を推奨しています。
契約時に仲介手数料全額支払いは避けるべき
同じく全日本不動産協会のHPによると、
売買契約成立時に仲介手数料の全額を不動産会社に支払っても、違法というわけではありません。
全日本不動産協会HP
とし契約時に仲介手数料の全額を支払ってもらってもいいとしながらも、やはり引渡しまで仲介業務は完了しているとは言えない場合が多いので、この方法は避けるべきであるとしています。
仲介手数料支払い時期に現金がない場合
不動産購入をする場合、諸費用も含めてすべてローンで購入する場合もあると思います。その場合、売買契約時にはまだ住宅ローンの融資を受けていないので、「仲介手数料の半額」なんて支払う現金がないと思います。
そういった場合どうすればいいのでしょうか。
親族に借りて、引渡し後に返す
住宅ローンに仲介手数料なども含んで、自己資金0円で購入する場合には、「引渡し時」には住宅ローンの融資を受けて、仲介手数料の分の現金も手元に来ることになります。
つまり売買契約と引渡しの間の短い期間だけ現金が必要というだけですので、きっちり事情を説明して親族に借り、引渡し後に返却するという方法があります。
引渡し時に全額に変えてもらう
仲介してもらう仲介業者に相談して、仲介手数料の時期を引渡の時に全額ということにしてもらうというのも一つの手です。
そんなことできるの?と言われるとそれは業者によりますが、ほとんどの場合は「できる」と思います。
仲介業者も、諸費用も含めた住宅ローンで事前審査などの手続きを進めているのであれば、契約時に仲介手数料の半額を支払う現金が用意できないこともわかっているでしょうし、上記のようにお金が用意できなくて消費者金融で借りられたりして手続きが止まってしまうよりマシですので・・・
仲介手数料はいつ・どうやって支払うの?
仲介手数料の支払方法は、契約時の支払は現金で・引渡し時の支払は振込で行うケースが多いでしょう。
売買契約の時は、不動産業者の事務所で手続きが行われる場合がほとんどです。ですので不動産業者からすると、口座の入金確認が必要な振込よりも、現金で持ってきてもらう方が楽なのです。
そして物件の引渡しの時に支払う仲介手数料は振込をするケースがほとんどです。物件の引渡しは多くの場合は銀行の応接室を借りて手続きが行われることがほとんどです。入金伝票など入金されたことを確認する手段はいくらでもあり、振込にしてもらった方が不動産業者は楽なのです。
逆に引渡しの時に現金で支払ってもらうと事務所まで運ぶ間に失くしたりトラブルに巻き込まれたり、営業マンが持ち逃げしてしまうというリスクがあるのです。
ATMの引き出し上限額に注意
仲介手数料を売買契約時に支払う場合に注意が必要なのは、ATMの引き出し上限額です。
先ほどの説明にあったように売買契約の時に支払う仲介手数料は現金での支払いが基本になってきますが、そんな大金が家にある家庭はなかなかないと思います。
当然銀行口座から引き出そうとすると思いますが、最近の銀行口座のATMでの引き出し上限額は何も手続きをしていなければ、50万円や30万円などになっている場合がほとんどです。
仲介手数料がこれよりも高額な場合は、窓口で本人確認を行って出金しないといけません。窓口が閉まっている日や時間であれば、自分が持っている複数の口座にある預貯金から出金しないといけなかったり工夫が必要になります。
売買契約前に仲介手数料をもらうのは違法
仲介手数料を物件の契約前に請求する違法な不動産業者もいます。
実際に賃貸や購入の申し込みなど「次が契約かな?」というタイミングで「仲介手数料は前払いなので本日お支払いいただきます」という請求を受けたという話もよく聞きます。
お金を支払わせることによって、契約の直前キャンセルの可能性をなくそうと、お金を先にもらっておくという営業戦術ですが、不動産の仲介手数料は「成功報酬」と考えられており、売買契約が成立するまでは仲介手数料を1円たりとも請求する権利はないというのが一般的な考え方です。
仲介手数料の支払う時期・いつ払う?【売買契約時なのか引き渡し時なのか】:まとめ
仲介手数料の支払いは、契約時半額・引き渡し時半額が一般的。引渡し時に全額という業者も多い。
仲介手数料の支払時期とその評価についてまとめると
- 売買契約前に支払う → 違法
- 売買契約時半額・引渡し時半額 → 多い・一般的・合法
- 引渡し時に全額 → これも多い・合法
- 売買契約時に全額 → 違法とまでは言えないが避けるべき
というふうに分けられる。