建売住宅を案内させていただいていると、外観を見ているお客様や近所の方に言われるのが、「最近の家は軒が短いんだね」という一言です。
ちなみに「軒」というのはここの部分のことです。
昔ながらの工務店系の人が建売disるときに軒の短さ言いがち
でも横殴りの雨の吹込み具合は軒が短い方が強いわけやから・・・
今回は現地で毎回聞かれる建売住宅の「軒」について解説していきたいと思います。
最近の建売住宅の「軒」は短いのか
ということで「最近の建売の軒は短い」です。
実際の建売住宅の「軒の長さ」の写真
実際に「最近の建売住宅」ではどんな感じになってるのかというと
こちらは一建設さん
こちらはアイディホームさん
こちらはアーネストワンさんの建売住宅です。気にならないと言えば気にならないですが、隣の注文住宅のお家や後ろの昔ながらの瓦屋根のお家と比較するとやはり軒が短く見えますよね。
値段が全然違うねんから注文住宅の家と比較する記事書かないでくださいよ、と建売メーカーさんに言われそうですが。。。
立面図で見る軒の出
ある建売住宅の立面図で見るとこんな感じになっています。
外壁から10センチだけ軒が出ている状態ということがわかります。昔の家だと雨が降ってきたらその辺の家の軒で雨宿りができましたが、この家のような6m上の10センチの軒だとほとんど雨宿りの効果はないでしょうね。
「軒が短い」メリット
それでは「軒が短い」とどうないいことがあるの?ということについて紹介していきます。
コストが安くてすむ
軒が短いメリットは建築コストが安く済むということです。軒を短くすれば当然建材なども少なくて済みます。特に建売住宅は全国で大量に建築するわけですから、一律に長さを短くすればコストカットできる総額は大きいわけです。
建売住宅はその特性上できるだけ低価格で販売したいというところがあります。
ですが建築基準法などの法律面で違法になってくるような手抜き住宅を建築することはできません。ですので建売住宅は全員に必須ではない設備を標準ではつけていなかったりするわけですが、
軒の出の長さもデメリットはありますが、違法になるものでも、短ければ危険になるものでもないのでだんだん短くなりがちなものです。
地震対策になる
軒が短いということは、その分屋根の重さが軽いということです。
同じ強度の建物を建築しても屋根の重さが軽ければその分地震に対する強度は上がります。
昔は和瓦などの重量のある屋根材が使われていましたが、現在はスレートなどの軽い材料が使われるようになっているのも屋根を軽くして地震対策をしておこうという理由もあります。軒を短くするのはそう言って要素もあるのです。
大人は普通に歩けるけど、頭の大きい赤ちゃんは歩いているときにフラフラしやすいのと同じような感じですね。
雨で外壁の汚れを洗い流す
建売住宅の不動産営業マンが営業フレーズとしてよく言っている印象があるのが、「外壁に雨で汚れを落とす製品が使われているので、その関係で軒の出が短くなっている」というものがあります。
これについてはそう言った理由で軒の出が短くなっているのかよくわかりませんが、確かに雨で汚れが落ちる外壁というものは使われているので、もしかしたらそういこともあるのかもしれません。それが直接の理由?と思う部分もありますが。
「軒が短い」デメリット
軒が短いことのデメリットについては皆さん言わなくてもだいたいわかると思いますが、一応紹介させてもらいます
外観の見た目があまりよくない
やはり軒が短いと見た目がよくないと感じる方が多いようです。
実際によく言われるフレーズは「なんか家らしくない感じになる」というものがあります。
「家」のイラストを描いてくださいと言われれば、三角屋根の絵を描くように多くの方の「家」のイメージは一定の軒の出のある屋根を持つ建物で、軒が短い建物は「箱」のような印象を受けて家らしさを感じないのかもしれません。
雨が外壁や窓に当たりやすい
軒が短いと外壁に雨が当たりやすくなります。当然窓にも当たりますし、間違って窓を開けていると吹き込む雨も多くなってしまいます。
同一条件で検証するのは難しいですが、窓に雨が当たると窓が汚れることも多くなりますし、掃除の手間ももしかしたら増えているのかもしれません。
「最近の建売住宅の軒は短いですね」ってよく言われる件について:まとめ
確かに最近の建売住宅の軒は短くなっている。
軒の短い理由は、建築コストが安くて済むというのが一番に挙げられる。その代わりとして建物の見た目が箱っぽくなったり、外壁や窓に雨が当たりやすくなったりする。
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