ファースト住建の壁量不足・561棟で見つかる【2007年の話】

5年125%ルールって意味あるの? ファースト住建

今回は前回の一建設さんの壁量不足の話に続き、関西を中心とした建売メーカー「ファースト住建」さんの壁量不足発覚の話について調べてみたので紹介していきたいと思います。

先に言うとだいぶ前の2007年の話です。その後わたしもファースト住建の家を買っています。不当に貶めるために調べて書いているのではないです・・・。

おるすま内田
おるすま内田

ファースト住建さんがどうというより、業界全体が超適当だったということですよね

おるすま澤田
おるすま澤田

厳しくなって窮屈な思いもするけど、きちんとした手続きが踏まれている今の方が良いよな

ファースト住建の木造2階建て建売で筋交い不足が判明

ファースト住建の木造2階建て建売で筋交い不足が判明

ファースト住建さんの壁量不足問題については、しばらくの間新たに契約するたびにファースト住建の社員の方が、その時の事情を書いて購入するお客さんに説明していたので、結構内容は調べる前から知っていました。

ファースト住建のリリースが今でも公開されている

ファースト住建さんのプレスリリースのようなものが未だにネット上に公開されているので、経緯はわかりやすいです。

2007年7月27日にまず木造2階建て住宅の中に32棟壁量不足があることを公表

その後2008年1月29日に新たに529棟の壁量不足を確認したと発表。平成19年7月27日に引き渡しが完了している5680棟を自主検査したとのことです。

ちなみに壁量不足のあった都道府県は以下の通りです。

ファースト住建のリリースが今でも公開されている

一建設さんの壁量不足が公表されたのが、2006年6月に681棟・2007年2月に追加で588棟発覚しています。時系列で考えるとこの後に「自社もマズいんじゃない?」ということで調査が始まったという事でしょう。こういうのは後の方が印象悪いですよね。

強度不足の度合いはどれくらいだった?

ファースト住建の木造2階建て建売で筋交い不足が判明

こちらもファースト住建の発表がのこっておりそれによると以下の通りです。

強度不足の度合いはどれくらいだった?ファースト住建

素人には全くわからない壁量不足

そういわれても全く何のことかわからないですよね。全部読んだけど全くわかりません。

建築基準法上問題となった「必要軸組長さ」とは、建築基準法施行令第46条の規定で、水平力(地震力)に対して、X方向、Y方向それぞれに、一定の計算式で求められる数値が、法律で規定された数値以上でなければならない、というものです。計算の方法などはこちらのHPに詳しく書いてあるので参考にしてみてください。

素人には全くわからない壁量不足

こういう必要な壁量とその家にある壁量で足りているかを判断するようです。1を超えていれば足りていて〇ということ

これが先ほど出てきたようにファースト住建さんの物件では0.7とか0.5未満の壁がある家があったということです。

最大の原因は建築確認時にチェックされないことだった

これらの問題を機に木造2階建ての建築確認時の耐震性の審査が新たに追加されることになったそうです。

そもそもこの強度不足問題は、強度の基準は建築基準法で決まっているものの木造2階建て住宅の建築確認時にそれをチェックするということがなかったため、建築士もそれを重要視せずにファースト住建だけではなく全国的に壁量の不足した住宅がたくさん作られていたというところに問題があるようです。

例えばお客さんが「窓を大きくして採光や通風を良くしたい」というと、壁の量が減って強度不足になるにも関わらず、チェックされずに強度不足でも建築確認が下りるため、特に何も指摘せずお客さんの要望を通して窓を大きく設計するというケースも多かったようです。

この強度不足問題の最大の原因は建築確認時に確認する仕組みがなかったこと、それにより基準を守る意識が低下してしまったことだと言えるでしょう。

現在では建築確認時にチェックが入るようになったのでこれが原因の強度不足の建物は建てられなくなりました。

強度不足の設計する建築士が一番悪いけど、チェックしてなかった方も悪いですよね。

原因は外部委託した建築士の設計ミス

 原因は外部委託した建築士の設計ミス

強度不足の原因は「外部委託した建築士の設計ミスが原因」とのこと。

こういう話があるとほとんどの事例で言われるのが「外部委託したところの・・・」という話ですよね。一般人からすると言い訳にしか聞こえない言葉ですが・・・

ファースト住建の壁量不足後の対応

ファースト住建の壁量不足後の対応

こちらもプレスリリースに今後の対応方針が残っているので、調べやすいです。

ファースト住建の公表した対応策

プレスリリースによると

  • 壁量不足物件に対する無償の補修工事
  • 壁量不足に該当しなかった購入者には設計図書の送付
  • 設計を外部委託する場合の自社チェック体制の整備

の3点が挙げられています。当然してもらわないといけない対応ですよね。まとめたので原文を読みたい方はこちらをごらんください。

ネット上の対応に対する実際の書き込み

ネット上にも様々な書き込みがされています。

こちらの投稿ページは実際に壁量不足と判定されたと思われる方の投稿もあり、なかにはファースト住建の担当者の方の話が要領を得なかったり、コロコロ変わっているように感じたりという内容もあり、現場での混乱が見て取れます。

2009年くらいから不動産営業マンを始めた私の体験談

この壁量不足問題のしばらく後に私も不動産営業マンとしてのキャリアをスタートさせますが、当初数年間はファースト住建さんは新たに契約するお客さんに契約時に、この壁量不足問題について毎回説明して、ご理解いただけた方とだけ契約をしていました

その問題を知らずに契約して、あとからネットなどで知ってしまうという状態を無くそうという取り組みだったのでしょう。

当時新米営業マンの私は正直に言うと「隠しとけばほとんどの人知らないのに・・・」と思っていました。家を買うために真剣に検討しているのは人生の一瞬なので、1年前のことでもほとんどのお客さんが知らないのです。

今は基本的にはそういった説明をしてから契約ということはなくなっています。

しかしファースト住建さんの物件の図面には今でも、

ファースト住建の壁量不足後の対応

壁量不足がないかのチェックがされたかの項目が書かれています。

ファースト住建の壁量不足・561棟で見つかる【2007年の話】:まとめ

ファースト住建の筋交い不足・強度不足があったことは事実。そういった問題のある物件を作ったことや対応に不満があったとネットでは書かれている

しかし強度不足の話を総合すると、一建設などの場合と全く同じで築確認時にチェックがないことを理由にファースト住建以外でもこの問題が横行していたのも事実であり、チェックを怠っていた行政側の問題がかなり大きいと感じる。

補修工事や新規購入者に対する説明など、問題発覚後は真摯に対応していると思える部分もある

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