新築一戸建てを購入されるときに物件の検討も非常に重要ですが、住宅ローンをどのようなプランで借りるのかというのも難しい問題であったりします。
今回はYouTubeにいただいたコメントを中心に夫婦連生団信についてのお話です。
夫婦で収入を合算して住宅ローンを組む場合に、もしものことがあれば借入がなくなる団信を夫婦両方につけておくのかという問題を中心に解説していきます
連帯債務の住宅ローンなら夫婦連生団信で奥さんまで団信入るべき?
YouTubeおるすまチャンネルに寄せられてコメントでこのようなものがありました。
いろいろな内容がありますが、夫婦連帯債務の住宅ローンを組む予定の団体信用生命保険の話で、
- 夫だけのベーシックプラン(金利上乗せなし)
- 夫婦連生の一般(金利プラス0.1パーセント)
- 夫婦連生のガン団信(金利プラス0.4パーセント)
の選択肢があるというようなお話です。がん団信についてはこのコメントいただいた動画で解説しましたので、
あとは夫婦連生団信にするかどうかの話なのかな?というところなのですが。
夫婦連帯債務の住宅ローンと夫婦連生団信
夫婦連帯債務の住宅ローンを選択する場合に、団体信用生命保険も夫婦連生にしておくという選択肢があり悩む場合も多いです。
夫婦連生団信とは夫婦どちらかに死亡などの万が一のことがあった場合には、住宅の持分や返済額に関わらず住宅ローン残額が0になるという団体信用生命保険です。
似ているけどちょっと違うものでは住宅ローンをペアローンで借りた場合、それぞれ自分の借入に対して団体信用生命保険に加入し、「自分の方の借入だけ」残額0になるというタイプのものもあります。
奥さんが亡くなると奥さんの分、ご主人が亡くなるとご主人の分の借入が無くなる。
今回紹介する夫婦連生団信はどちらが亡くなっても、借入額全体の残額が0になるという団体信用生命保険です。
これに入っておいた方がいい?それともベーシックプランと呼ばれる「ご主人が亡くなったら住宅ローンが0になるけど、奥さんが亡くなってもご主人は住宅ローンを払い続けないといけない」スタイルでいく?というような選択肢になります。
検討要素①連帯する夫婦の収入割合
やはり住宅ローンで連帯する夫婦の収入割合というのは検討しておくべきです。例えば夫婦の足した年収が1000万ですという話でも、
- 夫の年収500万円と妻の500万円なのか
- 夫の年収700万円と妻の300万円なのか
では全然話が違ってきます。前者の場合妻に万一のことがあり、妻の収入を失ってしまうと住宅ローンの支払いとしては苦しくなる確率は高いですが、後者の場合は「ギリいける」という家庭も増えてくるでしょう。
今回の件では奥さんの方まで団信の対象にするかという話ですので、奥さんの収入がなくなったとしてご主人単独で住宅ローンの支払いを維持していくのが可能と考えるレベルなのであれば、支払いを抑えて(無駄な保険を省いて)ベーシックプランで行くというのも方法としてはアリでしょう。
検討要素②住宅に関する熱量の夫婦割合
もう一つ夫婦連生団信にするかどうかで検討しておかないといけないのは、その新築購入に関する熱量の夫婦割合です。
不動産営業をしているといつも思うことですが、夫婦で新築マイホームに関する熱量が違います。
多くの場合は奥様の方が熱量高いですが、逆のご家庭もあります。
例えば、夫は家なんてなんでもよくて賃貸でも良いくらいですという感じで、奥さんは「こんな家が良い」と夢のマイホームに関する要望がたくさんある。で夫は奥さんが喜んでくれたらそれで良いかなって思っている。そんなご家庭も結構多いです。
極端な話ご主人は1000万の中古戸建でもいい。でも奥さんの要望を全部入れると5200万円の新築になったという話でいくと4200万円分は奥さんの要望の分という話になります。そうなると奥さんが万が一その後なくなると、ご主人の方からすると「なんでこんな新築買ったんやろ」ってなりますので、夫婦連生団信に加入しておく意味はあるかもしれません。
逆の極端な話でご主人が会社の同僚に見栄を張りたくて5200万円の新築を買いたい、奥さんは1000万円の中古でも良いでしょって思っていたとすると、ご主人の要望を叶えるために奥さんが連帯債務に入ってくれているだけの話になりますので、奥さんからすると「なんで月々支払い増えてまで夫婦連生団信に入るの?」という話になりやすいです。
これは極端な話ですのでわかりやすく、現実はもっとわかりにくいですが。
ここまではっきりとは分からなくても、このレベルの家を欲しかったのって「結局どっちやっけ?って話が夫婦でできている」状態がベストです。
夫婦合算は避けるべき?がん団信は要る?他
このコメント関するその他のテーマとしては
- そもそも夫婦連帯の住宅ローンの是非
- がん団信の必要性
- がん団信入らずに後悔している人が多い的な統計
のお話があります。
夫婦合算の住宅ローンは避けるべき
まず大前提の話になってしまいますが、夫婦連帯の住宅ローンは一般的には危険が大きいと言われています。詳細はこちらをご覧ください
その最も大きなリスクは、離婚です。団信の話は死別というようなリスクに対する備えですが、住宅ローン期間中に配偶者と死別する可能性はかなり低いですが、離婚する確率はそれなりにあります。
ですがこれも考え方の問題でもあります。死別リスクと離婚リスクを比較する言い方だと離婚リスクが高いような気もしてきますが、離婚しない人も多いです。
「3組に1組は離婚する」という有名な数字は計算の仕方が正確ではないともよく言われます。
そのようなことを考えると「一部の離婚する確率がそれなりに高い夫婦にとっては」連帯債務の住宅ローンは危険というのが正確な表現ではありますので、買主様が連帯で行きたいというのを止めることはできません。
住宅ローンのがん団信は必要なのか
このコメントの方もがん団信をどのようにするのかも含めて悩まれているのではないかと思います。
がん団信は基本的には「がん保険」ですので、そのがん保険に価値を感じる人は入るし、感じない人は入らないというだけです。親族にがんに罹患された方がいるのかなども重要な検討要素になってくるでしょう。
主な論点としては、2つあります。
一般的ながん保険に加入するより、住宅ローンのがん団信の方が費用対効果が高いのではないかという考え方もあります。少しの掛金で住宅ローンの残額が0になるという大きなリターンを得られる可能性がありますので
しかし逆に住宅ローンを支払うような働き盛りの時期に癌に罹患する人がそもそも少ないので掛け捨てになる確率の高さも気になるところです。
がん団信に関する統計はないのか。
がん団信の話でよくあるのが、住宅ローンの最初のタイミングしか加入できないという商品特性上「ガン団信に入らずに後悔している人も多いんですよ」というセールストークもあります。
詳しくはこちらで解説しましたが、生命保険会社のアンケート調査でそのような結果は実際出ています。
4割くらいはがん団信に入らなかったことを後悔している的なアンケート結果です。
ですが、このコメントの方も指摘されている通り、住宅ローンのがん団信の有効性を示したいのであれば、わざわざ保険会社が一般人にアンケートをとって後悔している人の割合を出すよりも、がん団信に加入して実際にがんに罹患されてがん団信を適用した実績を公開すればいいだけの話です。
公開したら割合が低すぎて皆がん団信に入る気なくすので公開していないんだと思います。
またアンケートにしても、住宅ローンを支払い終わった人に「癌に罹患せず良かったですね。がん団信で35年間で50万円支払われたことになりますが、後悔していませんか?」という内容でアンケートを取れば6割くらいは「がん団信に加入したことを後悔している」にチェックを入れると思います。
まとめ:夫婦連生団信で奥さんまで団信入るべき?
- 夫婦連生団信は連帯債務の夫婦の収入比率で検討を
- その他にはマイホーム購入の熱量の比率も重要
- 熱量を正確に把握しておくと夫婦の精神衛生上もいい
- 連帯債務の住宅ローンが危険かやがん団信の必要性は人それぞれの問題
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