建売住宅は建築して1年が経過すると中古扱いになることや、資金を早く回した方が儲かることもあり、売れる金額になるまで早いスパンで値段が変更されます。どんどん価格が下がって「何かあるんじゃないの?」と不安になるほどの現場を見たことのある人もいると思います。
一建設さんはイメージで言うと一気に値下げというより、少しずつ頻繁に価格変更する印象がありますね。
確かに。イメージではマシンガン継投スタイルやな
今回はそんな建売の価格変更のタイミングの中でも飯田グループホールディングスの一建設の物件の価格変更がいつ行われる可能性が高いのか・いくら下がるのか検証していきたいと思います。
一建設の建売住宅の実際の値下げ時期の検証
今回行うのは一建設のある営業所の販売物件の動向を半年ほどの間調べてみて検証した結果になります。
物件①「完成後は2週間ごとに100万円ずつ価格変更」
- 10月頃 販売開始
- 12/2 最大150万円の価格変更・①2780万円②2680万円
- 1/27 全区画100万円の価格変更・①2680万円②2580万円
- 2/17 全区画100万円の価格変更・①2580万円②2480万円
- 3/2 全区画100万円の価格変更・①2480万円②2380万円
12月に完成し販売価格を変更するのは建売販売では基本的な傾向と言えます。その後、年が明けて1月末に2度目の価格変更をし、その後は約2週間ごとに100万円ずつ値段を下げるというどんどん価格変更する戦略になっています。
完成後の1度目の価格変更では2か月ほど様子を見ていましたが、それが終わると価格変更の頻度が上がっています。
物件②「あと1区画をとどめの200万円値下げで完売」
- 7月頃 販売開始
- 9/15 価格変更100万円①2180万円②2280万円③2280万円④2380万円
その後②と④が成約済みに - 11/12価格変更100万円①2080万円③2180万円
- 12/2 価格変更100万円①1980万円③2080万円
- 1/14 価格変更100万円①1880万円③1980万円
その後③が成約済みに - 2/17 価格変更200万円①1680万円
基本的には先ほどの物件①と同じ流れです。完成後の価格変更で2か月様子を見て(そこで無事2区画販売)その後は価格を100万円ずつ下げています。
注目すべきはその後で、最後の1区画となったことからとどめの200万円の価格変更で完売させました。当初販売価格から比べると①号地は600万円も価格下がっています。
物件③「高額物件の場合は200万円値下げも多用する」
- 10月頃 販売開始
- 1/27 価格変更―200万円で①3380万円②3380万円③3380万円④3180万円⑤3280万円に・その後④号地成約済みに
- 2/17 価格変更―200万円で①3180万円②3180万円③3180万円⑤3080万円に
- 3/2 価格変更―100万円で①3080万円②3080万円③3080万円⑤2980万円に
完成は12月ですのでやはり完成してから価格変更を開始しています。
しかし価格の変更幅は1度目2度目は全区画200万円の変更を実施してます。これは3000万円代の物件ということもあっての下げ幅と考えられます。高価格帯の物件では200万円幅の価格変更も多用していることがわかります。
物件④「完成前・建築中にも価格変更をしてくる」
- 11月頃 販売開始・12月中に①も成約済みに
- 2/17 価格変更―200万円・①済②2080万円③2080万円④済⑤2080万円⑥2280万円・その後3号地も成約済みに
- 3/2 価格変更-100万円・①済②1980万円③済④済⑤1980万円⑥2280万円
この物件は当初3月に完成する予定で進んでいました。通常建売住宅は完成後に価格変更を開始するものですが、完成する前に販売が好調に進んだ場合は建築中でも価格の変更がされる場合があります。
今回は2月3月の最も売れる時期も重なったということもあり、完成を待たずに価格変更し販売を促進したと考えられます。
その甲斐もあり完成前に半分の区画を成約済みにすることができています。
一建設の値下げ・価格変更の特徴
これらの事例検証から一建設の価格変更のタイミングの特徴を考えてみると、
- 建物完成時に100万円~200万円価格変更する
- そのあと2か月様子を見てもう一度価格変更
- そこから2週間ごとに100万円ずつ価格変更する場合が多い
- 3000万以上の物件を中心に200万円価格を変更する場合も多い
- しかし完成前に価格変更が始まる場合も多い
という5つの価格変更の特徴があります。
建物完成直後に100万・その後2か月後に100万の価格変更
一建設さんでは物件が完成してから最初の価格変更をします。これは建売住宅全般に言える傾向と言えます。やはり建物ができて物件を見学できるようになってからが建売の本格的な販売がスタートすると考えられているようです。
そこから2か月ほど様子を見て、それでも動きがない場合はそこから2週間ごとに価格を変更していくケースが多いです。
物件の価格が3000万円以上の場合は200万円の値下げも多く実施されています。
下げ幅・頻度ともにかなり積極的な価格変更すると言って間違いありません。
完成前にも価格変更するケースがみられる
一建設さんの価格変更の履歴を見てみると、完成前に価格変更をするケースというものも結構見られます。
調べた時期が2月3月の一番の繁忙期を含んでいたので、販売促進活動を活発に行っていたということもあると思いますが、建築中の価格変更は同一時期の調査でアーネストワンさんの物件ではなかったので、完成前に価格変更する可能性があるというのは一建設さんの価格変更の特徴の一つと言えるでしょう。
売り出し価格をあらかじめ高く設定している説
一建設さんの値下げを見ていると、当初販売価格から最終価格までの差が500万円とか600万円まで離れていることがわかります。つまり最初の価格から500万円近く値下げするケースがみられるということです。
また「建築中からも積極的に値段を下げるということ」「200万円の価格変更も多用する」ということも考えると、
もしかして「最初の売り出し価格をあらかじめ高く設定しているだけでは?」という疑問が浮かんできます。
以前検証したアーネストワンの事例との比較でも売り出し価格で販売した数も一建設の方が少なく、一建設の売り出し価格は「売れたらラッキー」というような結構チャレンジングな価格設定をしているという可能性もあると思います。
一建設の値下時期を推測する方法
一建設の建売住宅の価格変更のタイミングについてある程度理解してもらえたかもしれませんが、
「わたしが検討している物件がいつ値下げされるか知りたい」
という場合はどうすればいいのでしょうか。ここまで見てきたようにアーネストワンの物件の値下げ時期の推測は
完成時期の把握はやはり大切
その物件の完成時期を把握することです。そうすることにより「完成直後の価格変更」やその後の2か月経ったあとの価格変更などもある程度予測がつきます。
直近の値下げ時期を把握している営業マンを探す
そしてできればその物件の価格変更を正確に把握している営業マンに担当してもらうのがいいでしょう。
しかしこれは実際にはなかなかいません。
不動産営業マンはいちいち一つ一つの物件についての価格変更を追ってみているわけではありません。お客さんがいて注意してみている場合もありますが、全物件は誰も把握していません。
しかも営業マンとしてはお客さんに聞かれても「先月価格変更されたので・・・」というようなことを言えばだいたい嘘がバレることもないので、把握しておこうとも思わないのです。
売り出し価格の高さはある程度考慮に入れてもいいかもしれない
売り出し価格からこれだけ値段が下がているというのは、お得に感じる要素かもしれませんが、他のメーカーと比較すると売り出し価格を高く設定している傾向が見られるので、そういったこともしっかり考慮に入れておく必要があるかもしれません。
複数棟現場においてまだ1軒も売れていない状態や、建築中で購入を検討している場合は、近隣の現場や相場をしっかり考えたうえで購入を決断したほうが良いでしょう。ちょっと待てば大幅価格変更が待っているかもしれません。
いつどれくらいの値段で売れるかは誰もわからない
最後に一建設の物件の価格変更のタイミングをある程度推測することは可能ですが、その物件がどのタイミングで売れるかは誰にもわからないということです。
価格変更の時期がある程度わかってしまうと、待ちたくなる気持ちもわかりますが、大きな価格変更があると一気に現場が売れていくケースというのも見られます。
特に売り出し価格が高い場合の傾向として、お客さんが見学やローンの手続きをしていつでも買える状態にして待っているというケースも見られます。価格変更した後には超高速で2、3区画が成約済みになっている場合もあります。
一建設の物件を検討されている方は、このページを参考にして価格変更のタイミングを予想するとともにローンの審査など準備をし、待つのがイヤならば積極的に自分から価格交渉するなどして購入する話ををすすめていくことも必要かもしれません。
【建売の値下げ検証】一建設が価格変更をするタイミングは?:まとめ
一建設の価格変更・値下げのタイミングの特徴は
- 建物完成時に100万円~200万円価格変更する
- そのあと2か月様子を見てもう一度価格変更
- そこから2週間ごとに100万円ずつ価格変更する場合が多い
- 3000万以上の物件を中心に200万円価格を変更する場合も多い
- しかし完成前に価格変更が始まる場合も多い
という感じ。
ただ「最初の売り出し価格を高く設定してるだけじゃない?」と感じるほどの積極的な価格変更を行ってきます。
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