アーネストワンの筋交い不足の物件が417棟見つかる【2006年の話】

アーネストワンの筋交い不足の物件が417棟見つかる【2006年の話】 アーネストワン

今回は2006年に木造2階建て住宅を中心に建築確認時の手続きで確認されないことをいいことに各社で相次いで筋交い不足の物件が見つかった事件の1社アーネストワンさんで耐震強度不足が見つかった件について解説していきたいと思ます。

アーネストワンの木造2階建て建売で筋交い不足が判明

アーネストワンの木造2階建て建売で筋交い不足が判明

アーネストワンの筋交い不足については、以前に解説した一建設と同時期に問題になり内容もほぼ同様の問題です。

アーネストワンの筋交い不足発覚の経緯

アーネストワンさんが発表したプレスリリースのようなものがネット上に公開されているので、経緯はわかりやすいです。

2006年9月27日にまず木造2階建て住宅の中に289棟筋交い不足があることを公表

今年6月、東京都の住宅分譲業者による木造住宅の耐震強度不足が発覚したことをうけ、 弊社が販売した全ての戸建分譲住宅(木造3階建て及び構造計算を要しない木造2階建て)に ついても、全棟建築確認取得済みですが、設計図書の再調査を自主的に行いました。

平成18年9月27日発表の一部

と書いてあるように

一建設での耐震強度不足が発覚したことにより、社内チェックが始まったことが書かれています。

その後2007年1月19日に新たに6棟の壁量不足を確認したものの、21棟を残しほとんどの補修工事を完了させたことを発表しました。この発表で3階建ての住宅にも23棟の補修工事の必要がある物件が見つかっています。プレスリリース原文はこちら

今後このような問題が発生しないよう、全社をあげて信頼回復に努めるべく、各種関係法令等を遵守し、住宅の品質確保とお客様へのサービス向上のため最大限努力をしてまいります。

平成19年1月19日発表の一部

と書いてあるように

「調査は終了したのでこれ以上は出てこなさそうです。再発防止に努めます」的な発表だったのですが、、、

調査の見落とし?問題発覚後も筋交い不足?

しかしそれでは終わらず、2007年7月30日に新たに122棟の壁量不足を確認し合計は417棟の筋交い不足の物件があったことを発表しました。プレスリリース原文はこちら

平成19年1月19日時点で補修の必要が無いと判定した引渡し済み物件及び平成 19 年4月30日までの設計完了物件の設計図書につきましても、再度自主調査を行いました。

平成19年7月30日発表の一部

と書いてあります。

これを読み解くと新たに見つかった122棟は2パターン考えられます。

平成19年1月19日時点では「補修の必要がない」と判断したものの中に「筋交い不足」が見つかったということ。

平成19年4月30日までに設計完了した物件(明らかに筋交い不足の問題を認識した後に設計された物件)にも「筋交い不足」が見つかったということ。

①は調査の杜撰さを指摘される内容ですし、②は問題発覚後も再発していたことを指摘されるような内容です。

プレスリリース原文にも「お客様の生活の安全を第一と考え・・・(中間省略)・・・再度自主調査を行いました。」などお客様の側に立っていることをアピールしできるだけ批判を受けないようにという切実な言葉選びが見受けられます。

再々調査でさらに122棟発覚したのは企業イメージとしては良くなかったと思います。再調査で膿を出し切れなかったという感じでしょうか。
そういった記事やネット情報は特には見つかりませんでしたが、当時は批判されたんだと思います。

※①が何件②が何件あったとかは公表していないのか調べてもわかりませんでした。ちなみに調査対象件数は平成19年1月19日までは12211棟だったのが平成19年7月30日では16419棟になっており、417件を新たに調査したことが発表されています。

3階建ての物件にも23棟補修工事の必要なものがあった

あと少し気になるのは、3階建ての木造一戸建ての物件にも23棟補修工事の必要なものがあったことを発表しています。

この一連の問題は、木造2階建ては建築確認の際に構造計算が不要で、筋交い不足の物件でも建築確認が下りるシステムになってしまっていたという問題でした。

ですが3階建て物件に関しては、この当時でも建築確認の際に確認検査機関が耐震強度をチェックしないといけない仕組みになっていました。確認検査機関が見逃しているというような別の問題があった可能性が考えられます

アーネストワンの発表でも「補修工事が必要な物件」が見つかったという表現にとどめています。詳細はよくわかりません。

強度不足の度合いはどれくらいだった?

ファースト住建の木造2階建て建売で筋交い不足が判明

こちらもアーネストワンの発表ではどの程度の筋交い不足があったかについては詳しくは発表されていないようです。

素人には全くわからない壁量不足

建築基準法上問題となった「必要軸組長さ」とは、建築基準法施行令第46条の規定で、水平力(地震力)に対して、X方向、Y方向それぞれに、一定の計算式で求められる数値が、法律で規定された数値以上でなければならない、というものです。計算の方法などはこちらのHPに詳しく書いてあるので参考にしてみてください。

素人には全くわからない壁量不足

こういう必要な壁量とその家にある壁量で足りているかを判断するようです。1を超えていれば足りていて〇ということ

これが先ほど出てきたようにアーネストワンさんの物件で1を超えない物件が417件見つかったということです。

最大の原因は建築確認時にチェックされないことだった

これらの問題を機に木造2階建ての建築確認時の耐震性の審査が新たに追加されることになったそうです。

そもそもこの強度不足問題は、強度の基準は建築基準法で決まっているものの木造2階建て住宅の建築確認時にそれをチェックするということがなかったため、建築士もそれを重要視せずにアーネストワンだけではなく全国的に壁量の不足した住宅がたくさん作られていたというところに問題があるようです。

例えばお客さんが「窓を大きくして採光や通風を良くしたい」というと、壁の量が減って強度不足になるにも関わらず、チェックされずに強度不足でも建築確認が下りるため、特に何も指摘せずお客さんの要望を通して窓を大きく設計するというケースも多かったようです。

この強度不足問題の最大の原因は建築確認時に確認する仕組みがなかったこと、それにより基準を守る意識が低下してしまったことだと言えるでしょう。

現在では建築確認時にチェックが入るようになったのでこれが原因の強度不足の建物は建てられなくなりました。

強度不足の設計する建築士が一番悪いけど、チェックしてなかった方も悪いですよね。

原因は外部委託した建築士の設計ミス

 原因は外部委託した建築士の設計ミス

強度不足の原因は「外部委託した建築士の設計ミスが原因」とのこと。

こういう話があるとほとんどの事例で言われるのが「外部委託したところの・・・」という話ですよね。一般人からすると言い訳にしか聞こえない言葉ですが・・・

アーネストワンの壁量不足後の対応

アーネストワンの壁量不足後の対応

こちらもプレスリリースに今後の対応方針が残っているので、調べやすいです。

アーネストワンの公表した対応策

プレスリリースによると

  • 筋交い不足物件に対する無償の補修工事
  • 設計を外部委託する場合の自社チェック体制の整備
  • 社内基準(原則:必要軸組長さの 1.5 倍以上)を設ける
  • 住宅性能表示制度(耐震等級3取得)の順次導入

の4点が挙げられています。

自社チェック体制については、2006年9月27日段階で体制が出来上がっていると発表していたのですが、その後2007年7月30日に問題発覚後の物件でも筋交い不足が発生していることを(感じさせる)発表を行う残念な結果にはなっています。その後はきっちり機能していることを期待しましょう。

(今回の件については建築確認の時に行政側がきっちり確認するという制度になったので、アーネストワンの社内チェックが機能していなくても、バレるシステムにはなっています)

社内基準を守った建築は見る限りそれ以降続けられていますし、住宅性能評価制度については私が働く関西圏では2017年頃から導入され始め、今ではほぼ全物件が住宅性能表示制度利用で耐震等級3取得物件となっています。

ちょっと時間はかかりましたが発表した公約は守っていると言えるでしょう。素晴らしいですね。

ネット上の対応に対する実際の書き込み

ネット上にも様々な書き込みがされています。

こちらの投稿ページは実際に壁量不足と判定されたと思われる方の投稿もあります。対応も悪かったなどのコメントもたくさんあります。

他の建売メーカーでも対応の悪さを指摘する投稿を見ますが、一番多く一番厳しい意見を書かれているのがアーネストワンさんではないでしょうか。

アーネストワンの筋交い不足の物件が417棟見つかる【2006年の話】:まとめ

アーネストワンの筋交い不足・強度不足があったことは事実。そういった問題のある物件を作ったことや対応に不満があったとネットでは書かれている

しかし強度不足の話を総合すると、一建設などの場合と全く同じで築確認時にチェックがないことを理由にアーネストワン以外でもこの問題が横行していたのも事実であり、チェックを怠っていた行政側の問題がかなり大きいと感じる。

問題発覚後のごたごたなどもあったが、今は耐震等級3取得の建売を建築している

株式会社おるすま・建売住宅を買うなら
タイトルとURLをコピーしました